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パリ最新情報「ワクチンを打ったから感染しないというわけではない」 Posted on 2020/12/04 Design Stories  

12月2日、日本で改正予防接種方が成立し、コロナワクチンの全国民への無料接種が決まったようだが、その翌日、フランスでもワクチンは無料接種となった。
まず、その第一弾として、2021年1月にまず100万人が接種する。
対象は主にお年寄り、老人介護施設に暮らす人やそこで働く介護士、持病を持つ人で、第二弾は、2月から4月を目処に、引き続きお年寄り、持病を持つ人、そして医療従事者、1400万人に接種される予定だ。
そして、4月から6月を目処に、その他の国民への接種が開始される。(日本は2021年6月末までに6000万人分供給予定)



ところで、このワクチンは2回接種しなければならず、1回目と2回目の間は21日あけなければならない。
気になる持続性については数ヶ月から数年と言われているようだが、まだよくわかっていない。

そもそも、「ワクチンの有効率95%」という言葉が独り歩きをしているが、実は「ワクチンを打てば、95%の人が感染しない」わけではない。
1000人にコロナワクチンを接種させ、別の1000人にプラセボ(偽薬)を接種(または非接種)すると、プラセボを打った人が100人発症したのに対し、ワクチンを打った人は5人しか発症しなかった。
「95%の有効性」とはこういうことである。



そして、気を付けなければならないことがもう一つある。
それは、「ワクチンを打ったから感染しない」というわけではないということ。
コロナワクチンはウイルスの一部の遺伝子情報を体内に取り込んで抗体を作らせる遺伝子ワクチンである。
これは、あくまでCovid-19の発症、または重症化を抑えるものであって、感染自体を防ぐわけではない。(その効果は今のところ認められていない)
ワクチンを打っているので万が一ウイルスに感染したとしても発症はしないかもしれないが、無症状でウイルスを持ち歩く可能性はゼロではなく、そのウイルスを他人に移す可能性もゼロではないということになる。
フランスの保健大臣もこの点を説明し、「ワクチンを接種したあともマスク、ソーシャルディスタンス、手洗いを怠ってはいけない」と繰り返している。



じゃあ、なぜ、子供は集団生活をしているのに、優先ではないのか?

たしかに、このワクチン接種の優先者に子供たちはまだ含まれてはない。どうしてなのだろうか?
いくつかの理由がある。
まず、罹れば命に係わる、疾患を持ち集団生活をしている老人介護施設入居者が優先となる。
子供の感染者から重傷者が出る確率は非常に低い。
フランスにおいて子供の感染者は国民の約20%にあたるが、そのうち、入院が必要になるほど重症化する人数はその1%にも満たない。
その上、18歳以下の子供が十分な治験の対象になっておらず、子供と大人で効果が違うワクチンもあるため、副作用等についての研究結果を待つ必要がある。
今後、このワクチンについての情報は、もう少し更新されるだろう。
コロナワクチン接種はフランスでは義務にはならないが、政府はできるだけ接種するよう国民に呼びかけている。(井)

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