欧州最新情報
パリ最新情報「フランスを秋までに元の世界にする、と仏保健相が宣言!?」 Posted on 2021/01/23 Design Stories
21日、坂井官房副長官は会見で「今年6月までにすべての国民に必要なワクチン確保を見込んでいる」と発言したが、ワクチン担当相に就任した河野大臣は22日、「供給スケジュールは決まってない」坂井氏の発言を削除すると発表「情報の齟齬があった」と伝えたヤフーニュースを読む限り、河野さんが大臣になったものの、状況は6月までに枠真が確保できる状況にはない、ということのようだ。20日、田村厚労相が発表した正式契約の内容は「7200万人分を年内い」という、坂井氏発言からさらに半年後の話しにずれ込んでいる。これらは総合するに、ワクチン供給が予定通りに進んでいない事情が透けて見える。
数日前の欧州各報道機関も、ファイザー、モデルナ社のワクチンが足りない、遅れているという報道が出たばかりで、欧州各国では政府にそうするのか、と詰め寄る同内容の報道があったばかり。世界各国への適切な分配と供給、さらには生産が追い付いていないのじゃないか、と想像できなくもない事態となっている。そのような状況下で、昨夜、フランスのオリビエ・ヴェラン保健相が「夏の終わりまでに1億3千700万回分のワクチンを確保する」と宣言したから、メディアが騒然となった。
ヴェラン保健相は3月のロックダウン以降、強い指導力でフランスのコロナ対策をけん引していたが、ここ最近、批判も出てきていた。ここでその翳りを挽回するかのような今回の強い発表となった1億3千700万回分のワクチンとはフランスの人口の二倍の数字になり、つまり、二回受けないとならないワクチンを夏の終わりまでに国民全員が接種できることを約束するものとなった。これに対し、メディアは本当に可能なのかと噛みついている。さらに、世論調査によると、フランス人の43%にあたる国民がいまだワクチンには懐疑的である。しかし、フランスには世界大手のサノフィ社が存在し、現在パスツール研究所と新型ワクチンの生産準備(遺伝子組み換えたんぱく質ワクチン)を進めており、これが市場に出回るとをさらに流れが加速する。
「今年の秋には元の世界」がフランスに戻ってくるのかどうか、疑い深くなっている国民たちの視線を浴びつつも、ヴェラン保健相の発表は一部の国民に微かな希望を与えるものとなった。
さらに、たった今入った速報によると、フランスの高等保険機構は、現在第一回目のワクチン接種から3週間あけて二回目を打つ今の接種スケジュールを、6週間あけるよう政府に提案をした、とのこと。こうすることで一回目の接種者の数を増やすことが出来、より多くの人に接種を促すことが出来る。一回の接種でも50%近い有効性があるのだそうだ。なるべく早く、大勢の人にワクチンが行きわたらせる工夫、と言える。