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パリ最新情報「コロナでツーリストがいない今、狙われるアジア系」 Posted on 2021/03/27 Design Stories
ラジオで、アジア系のネット差別が増えている、というニュースが流れた。
とくに若者の間でSNSを介してアジア系フランス人に「国に帰れ」というような誹謗中傷が増えている、という。
しかし、この問題は、アメリカでここのところ続いているアジア系の女性への暴力事件、たとえば、アトランタでマッサージ店が襲撃され6人のアジア系女性が命を落とした凶悪事件などとは違う。
幸いにも今のところ差別によるそこまでの凶悪事件はあまりない。
むしろ、今、フランスで一番気を付けないとならないのは「泥棒」である。
長引くコロナ禍で仕事が出来ず困窮しているのは泥棒も一緒だ。
カモである観光客たちがコロナの移動制限によりフランスにやって来れなくなったこと、人々が会社に行かずテレワークをするようになったことで、スリや空き巣が出来なくなった。
それでも泥棒たちは生きていかないとならない。
そこで増えているのが、か弱いアジア系の女性を狙ったスリとかひったくりである。
実は筆者も細くて、背が低い。なので、駅の構内とか、路地とか、狭い階段などであとをつけられることがある。
一度は、追いかけられたこともあった。
数人でやってくるので、気配を感じたら走って誰かがいるところまで逃げるようにしている。
彼らの手口が狂暴になりつつある。
先日、パリのリヨン駅を歩いていたら、近寄ってきた移民系の泥棒に、いきなり、目の前で鞄の中に手を入れられた。
あっけにとられたが、暴力をふるうわけじゃない。気が付くともう一人が筆者の横に張り付き、ぴたりと肩を押し付けて威嚇してきた。
サンドイッチされた恰好である。
そして、肩掛けカバンの中に、一人が普通に手を入れて、財布を探している。
筆者は空手を小学校から習っているが、さすがに勝てる相手ではない。
一人は180センチを超えている。そこで、逆らわずに冷静に行動をし、50メートルくらい歩いたところで警察官を見つけた。「警察がいるわよ」と小さな声で警告をした。
驚いた男が手を引っ込めた瞬間、筆者は「泥棒! おまわりさん。泥棒です!」と叫んだところ、男たちが走って散らばりなんとか難を逃れることが出来た。大きな声が出せるのは、小学校の頃から武道を習ったおかげであった。
このようなアジア系の一人歩きの女性を狙う事件が、ちょっとガラの悪い地区の駅構内、交差点などで増えている。
在仏日本人女性の皆さん、暗い夜道での、一人歩きはやめましょう。
泥棒たちも、腹をすかせた猿山のサルたちのようになりふり構わず現金を狙っているのですから。(か)