欧州最新情報

欧州最新情報「デルタ株が若者の間で大流行!スペインに迫る今度の波は大波か」 Posted on 2021/07/08 Design Stories  

スペインでは新型コロナの状況が良い方向に向かっているようにみえた。
ワクチン接種が進み、感染者数も減り、色々な規制が緩和され始めていた。
国民の6割近くが少なくとも一回はワクチン接種を終え、年代別に高い方から進んできた接種プログラムも20代まで下がって来た。1年ほど続いた戸外でのマスク着用義務も6月26日に解除された。
レストランや観光場所も通常営業に近い形に移行しており、欧州内からの環境客も増え、街には活気が戻って来たところだった。

ここに来て急に感染者数が急増したのだ。これはニュースや統計で見る前にまず肌で感じた。昨年新型コロナ感染症が流行し始めて以来こんなことは初めてである。一日3万人の感染者が出ていたときでも、直接知っている人が感染者になっているというケースは珍しかった。

ところが今回は誰と話しても「同居人が感染した」「同僚が感染した」「パートナーが感染した」と言う。これは2回とも接種の終わった高年齢層よりもワクチン未接種もしくは部分接種の若年層で流行っているせいかもしれない。

地球カレッジ



6月19日には一日の感染者数が2千人まで下がっていたのが、7月4日には1万3千人を越えた。罹っているのが若者なので重症化するケースは少なく、今のところ死者数は抑えられているが、ワクチン接種済み人口でも12%は重症化する可能性があるので、気を緩めていると1割強の国民がICUに運ばれ、再び医療現場がひっ迫する可能性がある。感染者数の伸びが短期間に急激であることから今回の波は今までにない大波なのでは、とスペイン政府は懸念している。

これを受けて州によっては一旦緩めた規制を再施行したり、10代20代のワクチン接種を急いだりしている。バルセロナのあるカタルーニャ州では、15か月ぶりにやっと再開したクラブを9日から再び15日間閉めることにした。

欧州最新情報「デルタ株が若者の間で大流行!スペインに迫る今度の波は大波か」



スペインは夏の間日が長く、夜10時近くまで明るいため、国民は平日でも仕事後ソーシャルライフを楽しむ。今までのコロナ規制も夏を楽しむために耐えてきたところがある。せっかく移動の自由が増し、コンサートやフェスティバルも少しずつ復活し、良い方向に向かっているように見えていたところでの、この急激な感染拡大はみなショックを持って受け止めている。戸外でのマスク着用義務がなくなった(人との距離が1.5m取れる場合)にもかかわらず、道行く人にマスク姿が依然多く見受けられるのは「再度のロックダウンは回避したい」「また以前のような状況には戻したくない」という気持ちの表れかもしれない。住民の責任ある行動と若年層のワクチン接種進展に期待をかけ、行く方を見守るばかりである。(林)

欧州最新情報「デルタ株が若者の間で大流行!スペインに迫る今度の波は大波か」



自分流×帝京大学