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パリ最新情報「病気を匂いで感知する嗅覚犬。フランスではコロナウィルスやパーキンソン病も可能に」 Posted on 2023/03/06 Design Stories  

 
優れた嗅覚を持つ犬たち。
彼らは、人間が嗅ぎ取れる匂い分子が例え100万分の1の大きさになったとしても、正確に感知することができるという。
身近なところでは、訓練を受けた犬が警察犬となったり、空港で爆発物探知犬として活躍する機会をよく耳にする。
また人間のがんが発生する匂い物質を嗅ぎ分け、早期発見ができるように訓練された犬「がん探知犬」の可能性についても、最近では世界各地で研究が進められている。
 



パリ最新情報「病気を匂いで感知する嗅覚犬。フランスではコロナウィルスやパーキンソン病も可能に」

 
フランスでも嗅覚犬についての研究が進められているのだが、仏アルフォール国立獣医大学はこの度、訓練を受けた犬が各種がんの感知のほかに、コロナウィルスやパーキンソン病といった、特殊な病気についても嗅ぎ分けられることが可能になった、と明らかにした。

フランスではこれを裏付けるような出来事も起きている。
例えば去る3月2日、パリ北部オワーズ県にある介護老人施設「Grange-des-Prés」に嗅覚犬2匹が訪れ、施設の人々との交流会およびデモンストレーションが行われた。
施設を訪れたのはシェパードとラブラドール・レトリーバーの2匹で、彼らはそれぞれ、前立腺がんとコロナウィルスの嗅覚探知を専門にしていたという。

実際には施設職員から一人のコロナウィルス陽性者が見つかったといい、その功績はすぐに仏メディアにも取り上げられた。
※嗅覚犬と人間が直接触れ合うことはなく、被験者は事前に脇の下(汗)に貼った布を提出していた。当日、陽性者本人は体調不良のため欠席していたという。

こうした検査は、機関に汗や尿、呼気(場合によっては便)を提出するだけでよく、体への負担がないことが特徴だ。
仮にがんが陽性となった場合、犬の訓練によっては乳がんか、大腸がんか、肺がんかといった部位の絞り込みも可能だということだ。
 

パリ最新情報「病気を匂いで感知する嗅覚犬。フランスではコロナウィルスやパーキンソン病も可能に」

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犬の嗅覚は人間の数千〜数万倍にもなると言われているが、犬が最も得意としているのは、酢酸(人間の汗に含まれる匂い)と吉草酸(足の匂い)であるという。
この二つに限ってはさらに嗅覚が敏感になり、より多くの匂い分子を特定することができるそうだ。

例を挙げると、犬は「犬が嫌いな人間」を素早く察知する。
これについてはフランス・ポアチエ大学のナレ博士が論文を出しており、「犬嫌いな人に犬が近づいた時に発生する、微量の汗(緊張の汗)」を指摘している。
その汗には犬にしか嗅ぎ分けられない、特殊な物質が含まれているそうで、博士は「これが犬を瞬時に攻撃的にさせてしまう」とした。

このようにさまざまな研究から、犬は人間の病気を発見できることが分かっている。
フランスでは各種がん、コロナウィルス、パーキンソン病、糖尿病、自閉症等の感知が可能なほか、現在ではデング熱についても積極的な研究が行われている。
しかしすべての犬にこの能力が備わっているわけではなく、犬種はジャーマンシェパード、ラブラドール・レトリーバー、ビーグルといったマズルの長い犬、そして専門的な訓練が必須となる。
 

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仏アルフォール国立獣医大学や一部の研究所では、将来的にこうした嗅覚犬を介護施設に配置し、「痛みを伴わないがんの早期発見」「無料で迅速な検査」そして犬の持つヒーリング効果などを提供していきたいと考える。
ただ彼らによれば、マスコミや一般の人には理解があるが、仏衛生局・医学関係者は消極的な姿勢を崩していないという。
※正確性・その能力が一定して繰り返し発揮されるのか、科学的な証明を必要とするため。

そのため仏紙ル・モンドも、「この習慣は現在では一般化できず、医療環境、特に病院に犬を配置するのは今日ではまだ考えられない。とはいえ継続した研究は、将来的な誤診を防ぐためにも良いことに変わりはない」と述べている。(大)
 

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