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パリ最新情報「フランス、コロナ第7波への警戒強める。衛生パス復活の可能性も」 Posted on 2022/06/28
フランスでは、6月上旬よりコロナ感染者数が再び急増している。
6月24日(金)の感染者数は79,262人となり、中でもオミクロンBA.5亜種が急速に広がっているとのことだ。
マスク着用義務が解除されてから数か月、フランスではコロナ終焉ムードが漂っていた。
レストランやカフェのテラスは満席に近く、イベントが開催されれば道路は人で溢れかえる。
しかしこうしたお祭り騒ぎが裏目に出たのか、6月の三週目には前週比で陽性者が50%も増えた。
これらの数字はコロナが決して終わっていないことを明らかに物語っている。
パリを含むイル=ド=フランス首都圏は国内で最も影響を受けている地域である。
発症率は人口10万人あたり約650人に達し、6月上旬の3倍となった。
入院者数も増えており、6月24日の時点で前週比より5%も増加。
ただ重症例は少なく、集中治療室に入る患者数も今のところは減少しているという。
年齢別に見た発症率は、例外なくすべての成人年齢層で増加している。
しかし18歳未満の未成年者は最も検査されていない年齢層だと仏政府は指摘、注意が必要だとした。
仏厚生省はあと数日でコロナ患者が占める病床数が15,000台を突破すると予定しており、看護師不足ですでに大きな困難に直面している医療期間を何とか持ちこたえさせたい狙いがある。
そこで今浮上しているのは衛生パスの復活に関する法案だ。
公共交通機関におけるマスク着用義務も併せて検討されている。
衛生パスにおいては、フランス本土、コルシカ島、海外領土への到着時における提示義務が濃厚となっている。
そのため国境を越えてフランスに入国する場合はフランス国民・旅行者に関わらず、陰性証明・回復証明・ワクチン接種の有無が記載された衛生パスが必要になるという。
また関係する交通機関(国境を越える列車、飛行機、バス)に勤務するスタッフにも義務付けられる。
2022年8月1日から予定されており、近日中にエリザベット・ボルヌ首相からアナウンスされる可能性が高いと仏AFP通信が明らかにした。
なお適用されるのはフランス入国時のみで、飲食店や商業施設での衛生パス提示義務は現在のところ検討されていない。
この法案が発令されれば、バカンス真っ最中のフランスを直撃することになる。
一方の厚労相は「当面、以前のように厳しい措置に戻すことは考えていない」と断言、しかし高齢者や免疫不全の人々を守るためには、ワクチン接種が最も有用な武器であることに変わりはないと述べた。
フランス入国に関して新たな措置が取られる可能性が高いので、今後数日間の報道に引き続き注視したい。(内)