11月に入ると、いよいよ本格的に寒くなってきたフランス。そろそろホットショコラが飲みたくなる季節だなぁと思っていた矢先、サロン・デュ・ショコラに一緒に行かない？と友達からお誘いが。サロン・デュ・ショコラ？？なんか素敵な響き！笑、なになに、と聞いてみたところ、パリで毎年開かれているチョコレートの祭典なんだとか。世界各地の一流ショコラティエ、新進気鋭のパティシエなどが一度に集結する最大規模のチョコレートイベントで、来年で30周年を迎えるのだそう。最近では東京でも開催されているらしいけれど、発祥の地はここパリ。ということで今回は、本場フランスのサロン・デュ・ショコラに行ってきた感想をお届けしたい。
 

 
チケットは予約制で、大人1人16ユーロ。学生は割引がきいて、13ユーロだった。
 

 
意外にもヴィエノワズリー系のブースが充実しており、チョコレートよりも先にドーナツやクロワッサンに目を奪われてしまった笑。まずはThoma’s cakesさんのポップケーキを購入。中のスポンジがふわふわでおいしい。Laurent Duchêneさんのチョコレートが練り込まれたクロワッサンも絶品だった。
 

 
チョコレートでできたオブジェやアラビアンな衣装を発見。どこを見てもチョコづくしでワクワクを隠せない。
 

 
歩けば歩くほど、ユニークですてきなお店がいっぱい。木彫りならぬチョコ彫りの熊さん、薔薇の花や靴、ハサミに工具(?!)の形をした斬新なチョコレートたちも陳列していた。食べちゃうにはもったいない、ショコラの芸術。
 

 
日本の国旗が見えたので近づいてみると、抹茶やほうじ茶、梅などを使ったタブレットチョコレートが並んでいた。こちらのAtelier Pagesさんは、パリの一つ星レストラン(RESTAURANT PAGES)のシェフ、手島竜司さんのショコラ・アトリエ。最近新しく、京都にもショップ・カフェがオープンしたらしい。抹茶のチョコレートは特に人気のようで、試食プレートには四方八方から手が伸びていた。日本の味がフランスでも愛されていて、とても嬉しい。
 

 
こちらはお菓子作りのデモンストレーション。何やらおいしそうなケーキを作っていた。何がすごかったかって、実演しているお姉さん。目の前のお客さんたちだけでなく、後ろではパティシエ界の重鎮といった風貌の先生たちに見つめられ、公式カメラマンさんがパパラッチのごとくその辺を動き回っている状況の中、全く動じることなく、流れるような手さばきで黙々と作業をこなしていた。私だったら絶対手震えちゃうだろうなぁ笑。
 

 
エスパス・ジャポンと書かれた日本のブースもあり、のぞいて見ると満員状態で大盛況。ここではパティシエール早戸由紀さんによる、フランスの伝統菓子サントノレの実演が行われていた。隣でマイクを握っているのは共同経営者の八谷ルミさん。お菓子の工程解説や楽しいトークで終始場を盛り上げていた。そんなお二人のお店は、パリ9区にあるパティスリー・レヨナンス（Pâtisserie Rayonnance）。
 

 
見る見るうちに完成していったこちらの美しいサントノレは、なんと、ほうじ茶味！チョコレートクリーム、カスタードクリーム、クレーム・シャンティイ、3つのクリームすべてにほうじ茶が使われているのだそう。デモンストレーションの後は、できたてのサントノレをめぐって争奪戦が繰り広げられた笑。なんとか最後のひとつを頂くことができ、一口食べてみたらもう、おいしすぎてびっくり。それぞれのクリームから、ほうじ茶の上品な香ばしさと苦味が感じられ、それがシュー生地と合わさって、三位、四位一体だった。上に乗せられた黒糖くるみがとても良いアクセント！もう一回食べたいので、次はぜひとも店舗まで買いに行こうと決めている。
 

 
そして最後はサロン・デュ・ショコラの目玉とも言われる、チョコレートドレスのファッションショーを観て無事終了。おいしいチョコレートをちょっとずつ食べ比べてみたり、普段は見られないデモンストレーションやライブ・パフォーマンスを楽しんだりと、スイーツの魅力がたっぷりと詰め込まれた非日常的な空間だった。素敵なショコラトリーやパティスリー、お気に入りのチョコレートと出会える絶好の機会。甘いもの好きには必見イベントであること間違いない。（ホ）