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パリ最新情報「フランスに薔薇の季節がやってきた!例年より早く開花へ」 Posted on 2022/05/24 Design Stories  

 
フランスでは春の高温のため、薔薇が例年より早くシーズンを迎えた。
道端や家の軒先にも咲き始め、周囲の雰囲気は一気に華やかに。
フランスの乾燥した気候と合うのか、どの薔薇も気持ちよさそうに伸びている。

薔薇は圧倒的な存在感を放ち、どんな花にも到達できないような突出した美しさを持っている。
フランスには数々の薔薇の名所があるのだが、パリで最も有名なのは、ブローニュの森にあるパーク・ド・バガテル薔薇園だろう。
今回は天国のように美しい、バガテル薔薇園の様子をお届けしたい。
 

パリ最新情報「フランスに薔薇の季節がやってきた!例年より早く開花へ」



 
フランス有数の規模と歴史を持つバガテル薔薇園。
マリー・アントワネットの命により、1775年に創設されたという。
17000平方メートルもの広大な敷地の中にあり、休日には多くの人がピクニックに訪れる。
 

パリ最新情報「フランスに薔薇の季節がやってきた!例年より早く開花へ」

 
植えられている薔薇は、なんと約1200種・12000本。
フランス国内で5か所ある薔薇コレクションを擁する庭園のひとつで、毎年6月初めには国際的な品評会も開催される。
結婚式の場としても利用されており、訪れた時にはウエディングドレスに身を包んだ花嫁さんが何人もいた。
猫やクジャクも放し飼いにされていて、人間にも動物にも楽園のような場所である。
 

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綺麗に整備されたバガテル庭園では、薔薇棚をはじめたくさんの品種を見ることができる。
極彩色の風景と、甘く品のある薔薇の香りには思わずうっとりしてしまう。
一つ一つに名前が付いているので、薔薇の表情と名前を照らし合わせるのも興味深かった。
フランスらしい、秀逸なセンスのネーミングにもご注目。
 

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ピンクの薔薇は、なぜか「海賊」

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パリの夢



 
薔薇といえば深紅色のものを想像するが、こちらの血のように真っ赤な薔薇の名前は「人間性」。
花言葉の「愛」や「美」と付けないところがフランスらしい。
 

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人間性

 
さて薔薇は、フランスでも女性に贈るギフトとして定番だ。
差し迫ったイベントは、5月29日の母の日である。(5月の最終日曜日となっているため、日本より少し遅い)
フランスではカーネーションのように決まった花を贈る習慣がないため、お母さんの好きな花を贈ってOKとのこと。
人気なのは、薔薇に次いで芍薬、百合、胡蝶蘭などだという。

ただし、薔薇の色によっては意味が異なる。
例えば赤は、情熱的な色にふさわしく「貴女を愛している」。ピンクは「慈愛、親しみ」となり、白は相手への賞賛、関心や敬慕の気持ちを表す。
また黄色い薔薇には「謝罪」の意味が込められており、まだ完全に咲いていない、つぼみのまま贈る場合は「責任を負う」といった意味があるようだ。
フランスでは、切り花は奇数で贈るのが良いとされている。
意味と照らし合わせながら大切な人へ思いを馳せる、というのもまた一興だ。
 

パリ最新情報「フランスに薔薇の季節がやってきた!例年より早く開花へ」

 
バガテル薔薇園では女性が多いのかと思いきや、男性客も非常に多かった。
最近では猛暑が少し落ち着いたため、薔薇の息も長くなり、だいたい6月中旬までは見頃だという。
入場料も2.5ユーロ(約337円)のみなので入りやすい。
この時期しか味わえない至極の景色を、次回のパリ旅行のリストへ是非。(内)
 

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