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パリ最新情報「フランスの文春砲炸裂か? 仏メディア御用達レストラン闇営業摘発!」」 Posted on 2021/03/15 Design Stories
真実なら大問題!!! 真実やいかに。
3月4日、『Canard enchaîné(カナール・オンシェネ)』誌が出したスクープがフランス全土を揺さぶっている。
この雑誌は日本でいうところの週刊文春のような立ち位置にあり、歯に衣着せぬ忖度抜きの記事がフランス国民の心の代弁者となっていて、人気が高い。
このカナール・オンシェネが、フランスのテレビ報道メディア大手BFMTVの醜聞を暴露したので、フランス国民は大騒ぎしている。
現在、お互いが主張を繰り返している最中だが、その辺の経緯も各方面の意見をまとめながら、集約してみた。
実はデザインストーリーズ編集部の入っている建物のすぐ隣にカナール・オンシェネ誌の社主が住んでおり、カフェなどでよく見かけていた。なかなか気骨のある編集者のイメージ、さて・・・
同誌によると、2月24日、闇営業していたBFMTV本社の地下レストランで同社のジャーナリスト、パリ市病院医師、消防のトップなど約20人が食事しているところをコントロールされたというのである。これが事実ならば、NHKのレストランで闇営業があり、政府関係者が会食をしていた、というレベルの報道になる。
レストランのオーナーは他人の健康を危険に晒したという理由で警察に拘束された。
有名な司会者、現在、BFMTVのディレクターであるマーク=オリヴィエ・フォジエル氏はこの件に関しツイッターで、「噂とは裏腹に、BFMTVのジャーナリストやコンサルタントは、誰一人として、2月末パリの違法レストランで逮捕されいません」とツイート。
記事を一蹴したが、カナール・オンシェネ誌は10日、「同チャンネルのディレクター(フォジエル氏)もこのレストランを利用していた」と応戦。
同誌によると2月上旬、同社のジャーナリスト退職の際、このレストランを利用していたというのである。
BFMTVといえば、24時間の情報番組で、フランスにおけるCNNやBBCの印象もあるいわゆるフランスメディアを代表するニュースチャンネルである。コロナ禍でコロナの危険性、ロックダウンなど措置を守る大切さを国民に対して発信し続けている立場、その信頼度も高く、まさにジャーナリズムの中のジャーナリズムといっても過言ではない報道局である。
カナール・アンシェネの第一報に、医師や消防のトップも居合わせたということから、厳しい措置の中生活している国民は裏切られた気持ちになっており、フランスが騒然となるのも当然で、しかも、この話題、今のところ当のBFMの番組内では取り上げられてない。
これが真実かどうか、わからないのだが、レストランのトリップアドヴァイザーのコメントには2021年2月付けで、以下のようなフランス人らしい皮肉が躍っている。
「レストランは閉鎖しなければならないのにジャーナリストや医者、消防師、弁護士などはここでご飯を食べている!このレストランはBFMがオーナーだからね。恥を知れ」
「とっても素敵な時間を過ごしました。BFMのジャーナリストに招待されました」
「ほとんどの席はBFMの社員、そして政府の友人たちに占拠されていましたが、美味しい料理でした」
「この時期に営業してるレストランに出会えるなんて、なんてラッキーなんだ! 不思議にも開いている、フランス唯一のレストラン。裕福そうな客とジャーナリストが集う。美味しいし、サービスもよく、良い時間を過ごした」
このフランス人のユーモアあふれる皮肉、実に面白い。
ちなみに、フランスは去年の10月から第二次ロックダウンがあり、その後も飲食業は今日現在まで営業できない状態が続いている。なのに、この時期に、もし、このような宴会が自社関連のレストランで行われていた、となると…。
BFMTVにはぜひ、反論をしていただき、汚名を挽回してもらいたい。がんばれ、BFMTV!(中)
続報出次第、加筆訂正をさせていただきます。