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パリ最新情報「もしかすると、パリのレストランは夏前まで開かないという噂が、・・・」 Posted on 2021/01/21 Design Stories
フランスのレストランの再開が一番早くて4月6日(火)!? という噂がテレビなどで取り上げられた。
このことを真っ先に記事にしたのはフランスのLe Point誌で、この日程について大統領府や首相府は「確定していない」と否定しているが、同誌は大統領府や首相府に近い人物からの情報、と伝えている。
しかも、カフェやバーの再開は6月になる可能性がある、というのだ。
前回の政府の発表でレストラン再開が2月半ばまで延長されたばかりなのに・・・。
2月半ばから2週間のスキー休み(冬のバカンス)があるので、そこで再開させると、再び感染が拡大する可能性が高い。
フランス政府はそこを懸念しているのであろう。
4月6日からの再開ということは、4月4日のイースターが明けてからの再開を目指していることになる。
その理由としてあげられるのは、現在、フランスを含め、世界約60カ国で拡大している英国変異株ウイルスの影響である。
疫学者アルノー・フォンタネ氏は、「計算をしたところ、フランスでは3月に変異株の拡大がピークを迎える」と警告した。
2020年3月に始まったロックダウンでは3月14日から6月2日(テラス席のないレストランは6月15日まで)までの約3ヶ月間、カフェやレストランが閉鎖した。
そして、再開から数ヶ月後、10月半ばより夜間外出禁止令(レストランの閉店時間も21時となった)が始まり、10月30日から再びカフェ・レストランは完全閉鎖を余儀なくされている。
フランスはレストラン業界への支援として、「1万ユーロもしくは、20万ユーロを上限とする前年度の売り上げの20%」の補償を出している。
しかし、この補償、いったいいつまで続けられる体力がフランスの財務局にあるとうのだろう。
4月まで続けば5ヶ月間、さらに、6月までだと7ヶ月間もレストランの閉鎖が続くことになる。
3月11日のロックダウンから一年以上も、やんだり降ったりを繰り返すことに飲食業界が耐え続けることが果たして出来るのだろうか?
政府はこの支援は状況が続く限り続け、また、テイクアウト販売への新しい支援も検討しているとしているが、一方で、このコロナの影響でホテル・レストランの3軒のうち2軒が倒産するという調査結果も出ている。
2021年にはレストラン業界の約30パーセントが倒産すると予測されているのである。
いま、レストランは完全に休業しているレストランとテイクアウト販売を行っているレストランに分かれている。
しかし、完全休業していたレストランもこの混沌とした状況の中、テイクアウトに踏み切る店が増えてきた。
テイクアウト販売の売り上げは支援の計算から除外されるので、経営者たちは自ら厨房に立ち、稼げる時に稼ぐしかない。(従業員は失業保険の適応があり、8割の生活費が補償されている)
市民も、毎食料理をし続ける気力を失いつつあるし、友人とカフェやレストランでゆっくり会うことのできない生活にほとほとうんざりしている。
誰もがレストラン・カフェの再開を心待ちにしているのだが・・・。2021年は始まったばかりだが、2020年よりも厳しい1年となりそうだ。(井)