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パリ最新情報「今が旬、フランスの赤肉メロン。夏の食卓に並ぶ前菜のスター!」 Posted on 2023/07/30 Design Stories
フランスのマルシェでは今、甘みたっぷりの赤肉メロンがたくさん並んでいる。
夏の果物といえば、日本ではスイカだが、フランスではメロン。
それもメロンは夏の果物というだけでなく、南仏・地中海地方の真のシンボルにもなっているということだ。
日光に恵まれた気候と肥沃な土壌で知られるプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地方は、果物・野菜にとってまさにパラダイス。
南仏のヴォークリューズ県とブーシュ・デュ・ローヌ県は、特にメロンの産地として知られており、中でもカヴァイヨン産のメロンは、1987年以来AOC(原産地呼称統制)のラベルを持つ、品質が保証された有名なメロンとして愛されている。
フランスのメロンはだいたい6月半ば頃から出回り、夏の期間はずっと、マルシェや八百屋のスター的存在になる。
それも甘みの強い赤肉メロンで、日本のものよりサイズがちょっと小ぶり、というのが特徴だ。
スターになる理由は、その安心価格にあるだろう。
たとえば今では1個が3〜4ユーロ(約465円〜620円)で、当たり年にもなれば2個で4ユーロ、という低価格だ。
ただ今年は7月中旬以降に気温の低い日が続いているので、値段が下がるかはまだ定かではない。
※メロンコーナーでは生ハムも一緒に並んでいるフランス。
こちらでの頂き方は、デザートよりも前菜やアペロで。特に生ハムメロンはフランス人にとても愛されており、冷たい白ワインやロゼワインと一緒に、さわやかな味で食事がスタートする。
フランス人の(主な)食べ方としては、皮はあらかじめ切り落とさずに、適当なサイズに切った後、食べたい数だけ各自がピックアップ。
生ハムも然りで、隣にボン!とダイナミックに添えることが多い。
各自のナイフで綺麗に皮を落とす姿も、さすがカトラリーの国だという印象を受ける。
※一方でアペロでは小さくカットして、あらかじめ生ハムを巻いてポーションタイプで提供されることも。
この生ハムメロンは王道の前菜となるが、他のレシピにはメロンサラダ、メロンスープなどがある。
パリのレストランではミント&メロンのスープが前菜メニューとして登場していた。
一方で産地、南仏地方では、サラダや前菜として生食されるほか、シャーベットやジャム、クーリにも使われるということだ。
※クーリ(coulis)…ヨーグルトなどに垂らすフルーツのとろとろソース。
また毎年夏、カヴァイヨン地方では、この象徴的な果物を祝う「メロン祭り」が開催される。
このイベントでは、メロンの試食、メロン観光ツアー、展示会など、メロンに関するありとあらゆる催しが行われるという。
こうしてカヴァイヨン産のメロンは、地元の誇りであると同時に、地域経済を支える大切な農作物となっている。(コ)