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パリ最新情報「エアビーアンドビーCEO、五輪に向けパリ市民に自宅貸出を呼びかける」 Posted on 2023/09/30 Design Stories
民泊サイトのエアビーアンドビー(Airbnb)は26日、来年のパリ・オリンピック開催期間中に宿泊施設が足りなくなるとして、パリ市民に自宅を貸し出すよう呼びかけた。
エアビーアンドビーの最高経営責任者、ブライアン・チェスキー氏によれば、24年のオリンピックでパリを訪れると予想される1600万人の観光客のうち、約50万人がエアビーアンドビーを利用する可能性があるという。
※「暮らすように泊まれる」エアビーアンドビーは、一般の民家やマンションの空き部屋を旅行者に貸し出すWebサービス。首都パリでは需要が大きい。
チェスキー氏はまた、「多くの人が宿泊施設を必要としている。パリには全員を収容できるだけのホテルの部屋数がない」と指摘。
そして同氏はメディアに向けて、「宿泊料金が高騰している中で、一部の人々には手が届かなくなる可能性も懸念される。より多くの住宅が提供されれば、価格はより抑えられるだろう」と自身の見解を示した。
実際、パリのエアビーアンドビーは今年2023年、すでに記録的な売り上げをマークしていると報じられた。
これは特に、現在開催中であるラグビー・ワールドカップの影響が大きい。
試合はフランスの9つの都市で開催されているが、民泊の料金はどの都市でも2〜3倍に増加したということだ。
なお決勝戦の夜には、パリのエアビーアンドビーの宿泊料金が平均で60%上昇したことも分かっている。
現在では、約23,000箇所のエアビーアンドビー住宅がフランス国内にあるという。
しかし来年のパリ・オリンピックでは、ラグビー・ワールドカップ以上の混雑・価格の高騰が起こるとも予想されている。
こうした価格高騰を抑えるためにチェスキー氏は「自宅を貸し出すよう」パリ市民に呼びかけたわけだが、現地パリ市民の実際の反応はどうなのだろうか。
仏メディアBoursoramaが伝えた内容によると、「パリ市民の約20%が関心を持っている」ということだ。
もとよりエアビーアンドビーでの住宅貸し出しは、インフレによる生活費の高騰で「魅力的な副業になっている」とフランスで報じられたことがあった。
ただホストになるには清掃や各種手続きなど、骨の折れる作業が多い。旅行者に自宅を使われることに、抵抗を感じる人も少なくないという。
パリ市民が自宅の貸し出しに積極的であるのは一部であることが分かったが、エアビーアンドビーのCEOは、「今後は検索結果にて最もお得な物件が優先されるだろう」とも述べている。
こうした呼びかけにもあるように、パリ市内ではオリンピック開催時の宿泊施設がまったく足りていない。
パリ市内のホテル宿泊料が高騰しているのを背景に、今回は異例の呼びかけとなった。(ち)