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パリ最新情報「若者からの関心をひくフランスの政治家たち」 Posted on 2021/08/07 Design Stories
数日前、マクロン大統領がTikTokとInstagramに投稿し、ワクチンについての質問を受け付け、答えはじめたという記事を書いた(過去記事はこちらから➡️https://www.designstoriesinc.com/europe/macron_instatiktok/)が、始まってから3日、マクロン大統領による自撮り質問コーナーは今日も続いている。
今日までで質問は11個にまで増え、この投稿での回答がニュースになり、子供たちの間で話題になって・・・、SNSを使った大統領の発信がテレビを見ない世代にまで影響を与えていることは間違いないようだ。
そして昨日(8月6日)、また違う大臣がTikTokに動画を投稿し、若者の中ではマクロン大統領の投稿以上に話題になっている。
話題となった投稿をしたのは交通省のジャン=バティスト・ジャバリ大臣、39歳。
発端は、ある少女がツイッターで「交通大臣は大臣の中で一番なんもしてない人」というようなツイートをしたこと。それに対して投稿されたのが以下のような動画である。
少女のツイートを動画にのせ、「C’est faux.(それは間違いだ)」という文字とともに本人が首を横に振るところから動画が始まる。続いて、音楽に合わせ、任務中の動画をテンポよくどんどん繋げている。
この動画に若者たちからは「交通大臣になりたい」「私よりTikTok上手じゃん」などと好反応。
批判ツイートをした少女本人は、「私の発言は撤回します。今日から一番好きな大臣になったわ」とコメントした。いいね数は38万回を超え、コメント数は6500件を超えている。
ジャバリ交通大臣のTikTokの使い方はマクロン大統領の投稿よりも”今風”で、よくTikTokを理解しているらしく、若者たちの間で同大臣の知名度は一気に上昇した。
ちなみに、この大臣がTikTokにした投稿はこれで3つ目。
1つ目の投稿も、ここまで話題にはならなかったものの、TikTokで流行っているという「Time Moves Slow」のリミックスサウンドに合わせて、サングラスをかけ、テスラを運転する本人の映像に、「この数ヶ月とても長く感じた、まるで長いトンネルの中にいるよう、でも幸いにも、その先には必ず光がある」というメッセージをのせ、最後にテスラのパッドを指さすと[as](Adult Swimの略)という文字が現れるという投稿。
若者たちの間ではひそかに、「何このイケてる政治家」とざわつかれていた。
もちろん、「TikTokをやっている暇があったら仕事しろ」という批判的なコメントもあるが、この交通大臣がTikTok世代から関心を得たことは間違いない。
フランスの政治家はいろいろな手段を使って国民への歩み寄りを見せ、理解を求めている。大切なことは、若者をふくめ、より多くの人が政治に関心と意見を持つことではないか。(い)