4月1日は、世界的にポピュラーなエイプリル・フールの日。
はっきりとした起源には諸説あるものの、フランスがエイプリル・フール発祥の地、とする説が、世間では最も有力だと言われている。
※フランスではエイプリル・フールを“Poisson d’avril（ポワソン・ダヴリル）”と言う。16世紀頃から始まった。この日は嘘をついてよい日、というよりは可愛い悪戯をする日。

さて、そんなフランスのエイプリル・フールはたくさんのジョークがSNS上でも飛び交ったのだが、パリの顔であるエッフェル塔にも、大規模なものが登場し地元パリジャンを沸かせることとなった。
 

 
4月1日の朝早くに現れたのは、エッフェル塔そっくりの「エッフェラ」（32メートル）。
エッフェル塔の正面に広がるシャン・ド・マルス公園に設置され、遠近法によっては、エッフェル塔が2本あるように見えるという演出だ。
なお期間は4月1日〜10日までとなっており、誰でも自由に（無料で）見物することができる。
 

※離れて見るとこのような光景に。

 
エッフェラを制作したのは、西フランス・ヴァンデ地方のイベント会社代表であるフィリップ・マインドロンさん。
実は2016年にはもう完成していたといい、これまでは地元を初め、各地のイベントにて企業向けにエッフェラを貸し出していたという。

ただ、フィリップさんにとっては「本物の傍にエッフェラを設置したい」というのが長年の夢だったそうだ。
「パリ市は普段は規制が厳しいが、エイプリル・フールなら通るのではないか」と考えたフィリップさんは正式にパリ市に認可を求めた。
結果は「OK！」。
ということで、こうして晴れて設置に至ったのである。
 

 
エッフェラの足元には、フランス人が実際に使う「赤ちゃん誕生時のグリーティングカード」が添えられている。「私の身長は32メートル、体重は23トンで生まれました」という内容なのだが、これには地元フランス人にも笑いをもたらしているようだ。
フィリップさん本人も、「今年初めのフランスはとても暗いニュースばかりだったので、笑いと幸せ、繋がりを生み出したいと考えました」と仏メディアに対して述べている。
 

 
とはいえエッフェラは3,790のパーツと9,465のボルトでできており、間近で見ても完成度がかなり高い。
これほどの部品を搬入したことについては地元の町内会からクレームが上がったようだが、一方の旅行者からはとても好評で、写真撮影を行う人の列もできていた。

設置される前日の3月31日には、エッフェル塔は134歳の誕生日を迎えていた。
さらに今年2023年はエッフェル塔を設計したギュスターヴ・エッフェル氏の没後100周年にあたる。
これを記念したエッフェル塔では今年、記念切手の販売や塔内でのイベント、音楽祭など、盛りだくさんの催し物が用意されている。（こ）