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パリ最新情報「ピークアウトしたフランス、しかし慎重な姿勢を見せる政府」 Posted on 2022/02/23 Design Stories  

 
2月21日、フランスにおけるコロナウイルスの新規感染者数は17,195人となり、前週よりマイナス70%と激減が続いている。
現在の話題の中心は、ワクチンパスポートがいつ解除になるのか、ということだ。
21日にはイギリスがコロナに関する法的規制を全撤廃する、と報道され、フランスでも大きくメディアに取り上げられた。

このところヨーロッパ諸国では相次いで規制解除が行われているが、その中でもフランスは依然として慎重な姿勢をとっている。
それを受け、オリヴィエ・ヴェラン仏保健相は22日、撤廃に必要な「いくつかの」基準について言及した。
 



 
ひとつは、規制解除の条件の一つとなっている「国民10万人あたりの感染者数」について、ヴェラン氏はこの数値が「少なくとも300から500」に下がらなければならないとしている。
現在は1000ということで、緩和には時期尚早であると語った。

さらに、集中治療室に入院しているコロナウイルスの患者数が1,500人程度に減少しなければいけないことにも言及した。(21日における集中治療室の入院患者数は約2900人。)
病院の正常な機能が回復した、とみなすことができるようになれば、ワクチンパスポートが解除になる可能性があるとのことだ。
早急に手を打つことはできないものの、ヴェラン氏は現在のペースで減少が続けば「あと2、3週間でこのレベルに到達するだろう」としている。
 

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またオミクロンの派生株で感染力と重症化リスクが高いと言われる「BA.2」株について、現時点ではフランス政府は再拡大の可能性を否定している。
しかしヴェラン氏は「このオミクロンの変種を過小評価してはいけない」と指摘した。

4回目のワクチン接種については、「当面のあいだ不要」とする見方を変えていない。
 

パリ最新情報「ピークアウトしたフランス、しかし慎重な姿勢を見せる政府」



 
4月に大統領選挙を迎えたフランスは、他のヨーロッパ先進国に比べてかなり慎重である。
コロナ全撤廃への期待は高まる一方だが、早すぎても遅すぎても、多くの批判が出るに違いない。
選挙への影響を考慮してか、規制が3月中旬頃に解除される可能性があると「やんわり」発表したのが印象的であった。(内)
 

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