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パリ最新情報「世界一可愛くて癒されるスイーツ、イスパハン!」 Posted on 2022/02/06 Design Stories
パリは言わずと知れたスイーツの都!
一流のパティスリーがひしめき合うこの街では、毎シーズンのように芸術的なスイーツが発表されている。
クラシックなものからパティシエの感性が光るオリジナルの作品まで、ありとあらゆるデザートが並ぶパリのパティスリー。
見慣れているはずのお店でも、なぜか訪れるたびに心がときめいてしまうから不思議だ。
そんな傑物揃いのスイーツの中で、世界中の女性の心を掴んで離さないスイーツがある。
その名も、「イスパハン」。
ほのかなバラの香り・鮮やかなピンク色に惹きつけられてしまうデザートで、発祥の街パリではこの時期イスパハンが主役となってセンターに並ぶ。
イスパハンのツートップ、とも言えるパリのパティスリーから、この見た目麗しいスイーツの情報をお届けしたい!
一つは、今年で創立160周年を迎えるラデュレのイスパハン。
ラデュレはマカロン発祥のパティスリーとしても有名だが、そのキュートな世界観とイスパハンがとてもマッチしている。
マカロンの女王、ラデュレというだけあって、まずその生地がただ事ではない。
平らで、渦巻き状をしたこだわりの見た目は、たくさんあるガトーの中でもひときわ心華やぐもの。
そんな目が覚めるようなカラーのマカロンビスキュイに挟まれているのは、ぽってりとしたフランボワーズとローズクリーム、ライチの果肉。
甘美なラデュレならではの世界観で、スイーツ界において見た目がいかに重要か、ということを改めて感じさせてくれる。
実は、イスパハンの名前は「バラ」に由来しているとのこと。
かつて世界の半分の広さの領土を持つほど栄えていたイランの土地の名前が、イスパハン。そして、この土地で生産される美しいオールドローズの名前もイスパハン。
そんな「イスパハン」という言葉の持つ豪華さや上品さがリンクし、このスイーツの名前に使用されたそうだ。
そしてそんなイスパハンを発明したのが、パティスリー界のピカソことピエール・エルメである。
アンジェリーナにモンブランがあるように、ラデュレにマカロンがあるように、ピエール・エルメにはイスパハンがある。
もちろん他のスイーツも傑作揃いなのだが、ピエール・エルメにおけるイスパハンは群を抜いている。スイーツ好きな人には言うまでもなく、スイーツが嫌いな人までも虜にしてしまう力を持っているのだからすごい。
エルメ氏が「全世界の女性に試してもらいたい」とおすすめする力作イスパハン。
うっとりするようなフラミンゴ・ピンクのマカロンの中には、ローズクリームとたっぷりのフランボワーズ、ライチの実が詰まっていて、上にはバラの花びらがちょこんと1枚。
その花びらには朝露が一滴あしらわれており、味も見た目にもハートが射抜かれる。
「綺麗なバラにはトゲがある」とよく言うが、そのトゲには草食動物に食べられないための防御的な役割と、ツタが上へ上へと絡まりやすいように、種を残せるようにとの繁殖的役割があるという。
きっと、ピエール・エルメのイスパハンは誰かを攻撃するためのバラなのではなく、後者のように愛を運ぶためのバラなのではないかと思う。
独り占めするのではなく、誰かと一緒に楽しむ、または誰かのために贈る、というのがとてもよく似合う幸せなスイーツだ。
またパリのピエール・エルメカフェでは、イスパハン本体だけでなくイスパハンにちなんだメニューも存在する。イスパハン・ラテ、イスパハン・クロワッサン、マカロンなど、ファンにとっては心躍るアイテムばかりだ。
一見、イスパハンとは関係ないスイーツにもローズクリームが使用されていて、バラの風味がもたらすエレガントさをあちこちで感じることができる。
パリで生まれたスイーツはたくさんあり、ベストセラーの多くは世界各地に渡った。
イスパハンもそのうちの一つであるが、ここまで女性の気分を上げてくれるスイーツはなかなかない。
可愛くて癒されるイスパハンを手に取り、コロナ禍の暗い空気を吹き飛ばしたい!(セ)