欧州最新情報
パリ最新情報「2024年パリ・オリンピック開会式、仰天の内容が明らかに」 Posted on 2021/12/15 Design Stories
12月13日、パリ・オリンピック組織委員会の代表を務めるトニー・エスタンゲ氏が「パリのセーヌ川で行われる開会式」について詳細を発表し、その驚くべき内容が明らかになった。
開会式の舞台がセーヌ川になることは既に決定していたが、構想の概要が明かされるのはこれが初めて。
何もかもが「史上初」だらけの、2024年パリ・オリンピック開会式は一体どのようなものになるのか?その画期的なセレモニーの詳細をここでお伝えしたい。
まず注目すべきは、オリンピック史上初めて「スタジアムの外で開会式」が開催されること。
パリのオーステルリッツ橋からイエナ橋の全長約6kmに渡って、「はしけ」(平底の船舶)に選手をのせて入場行進が行われる。
予定されるアスリートの数は10500人。合計160隻の船が出港し、その一つ一つにカメラを搭載しながら、臨場感あふれる様子を全世界に中継するという。
そしてその入場行進も、セレモニーの最初に行われることが決まった。
本来なら開会式の最後に行われる入場行進だが、パリ・オリンピックでは開幕一番に選手が登場する。これによって開会式の雰囲気が一気に盛り上がり、華々しい開幕となることが期待される。
さらにエスタンゲ会長は、船だけでなく現在歩道となっているセーヌ河岸も使ってスペクタクルショーを行うことを発表。
ノートルダム大聖堂、エッフェル塔、チュルリー公園、ルーブル美術館といった、パリのアイコニックな場所が会場となり、歴史的建造物×最新技術の一大プロジェクトが企画されている。
例えば、グラン・パレ付近では水上にウォータースクリーンが登場するほか、ホログラムの演出、船上でのダンスショーなどが繰り広げられ、新旧の文化が入り混じったパリらしいセレモニーになるとのことだ。
さらにルーブル美術館の目前に浮かぶ舞台では、オーケストラによる演出も予定されているという。
そして開会式の最終目的地は、今年8月に東京五輪のバトンタッチ会場となったトロカデロ広場。次期フランス大統領とエスタンゲ会長はここで待機し、開会式のフィナーレを飾ることになっている。
また、史上初となる試みが他にもある。それは、なんと開会式の観覧が無料になるということだ。メイン会場となる、約6㎞のセーヌ河岸に入れるのは有料チケットを持つ人のみだが、それ以外の河岸で観覧するのは誰もが無料でOKとのこと。
パリ市は当日少なくとも60万人の人出を想定していて、これはオリンピック史上最大の動員数を記録するだろうとしている。
ただ、最大の懸念事項となっているのが期間中の治安問題だ。
実はこの発表がなされる前、仏内務省、警察、地方県の間で徹底的に議論が行われてきたという。
仏紙L’equipeが報じた内容によると、オリンピック開会式ではパリ警察、フランス治安部隊を総動員するほか、民間の警備員も5000人ほどセーヌ河岸に投入。
さらにこの期間だけの特別機動隊も編成し、会場付近の安全を確保することが決まっている。
またアスリートたちが搭乗する船に対しても、事前に爆発物処理班などプロフェッショナルたちが動き、24時間体制でセーヌ川を監視する。
いずれにしても、これまでで最高レベルのセキュリティが敷かれることは間違いない。
パリの魅力が惜しみなく披露されるであろう、2024年のオリンピック開会式。
まさかセーヌ川が開会式の会場になるとは、とフランス人も驚く内容だったが、人々の関心は得てして非常に高い。
その頃には皆が自由に旅行できることを祈りながら、楽しみに待ちたいと思う。(ル)