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パリ最新情報「10人で会食していたマクロン大統領へメディアの突っ込み」 Posted on 2020/12/18 Design Stories
日本では、菅首相が銀座のステーキ屋で8人の忘年会に出席し批判が噴出している。
「5人以上の会食を控えるよう」呼びかけていた政府の方針に反しているのじゃないか、というメディアの突っ込みに、西村大臣が、「一律に5人以上はダメということを申し上げているわけではございません。出来るだけ控えて頂きながら、もしどうしてもされる場合は、アクリル板のある店を選んで、換気に注意をしてくださいとか、こういったことも併せて申し上げています(一部略)」と急にトーンを変えたことから、国民に混乱が広がった。
銀座のステーキ屋にはアクリル板はなかったようで、参加者は全員70歳以上の高齢者というのだから、火に油を注ぐ格好となった。
ところで、今日、コロナ陽性反応が確認されたフランスのマクロン大統領も一部メディアから同じような指摘を受けた。
というのは火曜、水曜にカステックス首相など全閣僚10人との会食会を開いていたのだ。
メディアの論客たちが「6人以上の集会は認めない」と訴えてきた政府対策に反する行動をとったのじゃないか、と指摘。
これに対し、エリゼ側は「10人の閣僚との会食はエリゼ宮殿の700人も入る大きなホールで行われ、席の間隔を十分にとった上で、全員がマイクを付けて、スピーカーから声を拾っての仕事だった」と説明している。
しかし、これは普段から、これだけの感染対策をしっかりとっているにもかかわらず、マクロン大統領が感染をしたということを意味している。
市民がマスクをしてソーシャルディスタンスをとっても感染する可能性は十分にあるということの裏返しにならないだろうか?
人気討論番組のタイトルは「マクロン大統領は気が緩んでいたのか?」であった。
それとも、変異を続ける冬のコロナウイルスの感染力が急激に増しているのか?
最近のコロナの特徴と言えるのは、陽性者の多くが、「どこで感染したのかが分からない」という問題である。カステックス首相も「もはや、クラスターを追跡することが出来なくなった」と宣言した。
クリスマスシーズン真っただ中、ロックダウンが解除されたことも手伝って、多くの人が市中に出てクリスマス準備に追われるこの時期、濃厚接触は免れず、減少気味だった感染者数がここに来て、再び増加し始めているのも事実だ。
※一時は8000人くらいまで減少したのに、今日は一日の感染者が18000を超えた。
それにしても、マクロン大統領のコロナ陽性反応ニュースは大きな衝撃をフランス国民に持ち込んでいる。
現在、大統領は執務室からテレビ出演という形で会議などにも参加し続けているが、カステックス首相を含む全閣僚との会合が続いたので、主要閣僚全員が濃厚接触者になり、一応、全員自主隔離の状態で様子を見ているというのだから、一歩間違えるとこの大変な年末に、国の動きが制限されてしまう危機感に晒されているということにもなる。(中)