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パリ最新情報「エッフェル塔、パリの屋根、フランスらしさが詰まった五輪表彰台、公開に!」 Posted on 2024/05/25 Design Stories
パリ2024大会を2ヶ月後に控えた5月23日、オリンピック・パラリンピックで使用される表彰台が公開された。
表彰台の数は、合計で68台になる。オリンピックは順位により高さが異なるが、パラリンピックでは段差のないフラットな表彰台が使われる。
このデザインは、エッフェル塔やパリの屋根に着想を得たという。素材には100%再生プラスチックが利用されるなど、フランスらしさの詰まった表彰台だ。
©Paris2024
表彰台の正面には、エッフェル塔をモチーフとしたデザインが施されている。
デザインを担当したクリエイティブ・チームによれば、「パリの象徴的なモニュメントである、エッフェル塔の一部を使って作られたメダルとの関連性も強く意識した」という。
事実、パリ2024大会のメダルにはエッフェル塔の金属がリサイクル利用されている。そのためメダルが贈られるアスリートには、エッフェル塔のインパクトが強く残ることだろう。
表彰台は個人競技・団体競技ではサイズが異なるため、長さ3m60cmのものから30mを超えるものまで用意されている。中でもいちばん大きいのは、サッカーの表彰台だということだ。
さらに、カラーには上品なグレーを採用した。
理由は二つあって、ひとつは選手のユニフォームカラーを邪魔しないため、もうひとつは“パリの屋根”を思わせるためだという。
パリ五輪委員会長のトニー・エスタンゲ氏はこれについて、「表彰台のグレーは、パリの屋根をイメージしました。大会でメダルを獲得すると、世界の頂上に登ったような気分になるものですが、少なくとも選手たちはパリの屋根を連想させるこのグレーに導かれ、パリの頂上に立つことになります」と述べている。
※パリのもうひとつのトレードマーク、グレーの屋根。デザイン案はパリ五輪委員会でも満場一致で承認されたそう。
今回は、表彰台が100%再生プラスチックで作られていることも特徴だ。
その総量は約43トン。メダルや選手村と同じく環境にやさしい仕様となった。
製作にはLe Pavé社、Global Concept社、Giffard社の三社が携わっているのだが、そのうちのLe Pavé社は、シャンプーのボトルやキャップから出るプラスチックをメインに回収・処理している。染料は使っておらず、白、グレー、黒のプラスチックだけが回収された。
7月26日から始まるパリ2024大会は、オリンピックが8月11日で終了したあと、パラリンピック最終日の9月8日まで続く。
また期間中に贈られるメダルの数は、オリンピックで329個、パラリンピックでは549個にもなる。表彰台はそのたびに映り込むわけだが、今回は選手たちが際立つようにとシックなイメージに設計された。
なお元パラリンピック水泳選手で、表彰台のお披露目会に出席したリュディヴィーヌ・ロワゾー=ムノス氏は、「選手にとって表彰台に上がることは誇りであり、感動であり、究極の瞬間です。メダルが首にかけられ、一瞬にして夢が現実となり、大会の偉大な歴史の一部となるのです」と語っている。(ち)