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パリ最新情報「パリ五輪、フランス選手団の競技衣装は、三色のグラデーションが鮮やかに」 Posted on 2024/03/16 Design Stories
3月13日、パリ五輪でフランス選手団が着用する、公式ユニフォームと競技用ユニフォームが発表になった。
デザインを手がけたのは、仏スポーツウェアブランドの「ル・コック・スポルティフ(Le Coq Sportif)」。
加えてパリ出身のファッションデザイナー、ステファン・アシュプール氏をアーティスティック・ディレクターに迎え、フレンチスタイルのエレガンスが融合したデザインに仕上げられた。
今回は競技用ユニフォームにも公式ユニフォームにも、フランス国旗にあるトリコロルカラー(青・白・赤)がグラデーションとなってデザインされている。
ベースカラーはエクリュ色(生成り色)で、そこにフランスの団結と多様性を称えたトリコロルカラーが配色された。
©Le Coq Sportif
※中央奥、メダルを下げたモデルが表彰台用の公式ユニフォームを着用している。公式ユニフォームは主に、表彰台、選手村、閉会式、公式訪問、メディア対応、祝賀会場で着用される。
トリコロルカラーがグラデーションで描かれた理由は、「アスリートの軌跡をなぞるとともに、勝利への道は決してまっすぐではないことを思い起こさせるため」だという。
このユニフォームは2年がかりで制作されており、200回以上の製品テストが実施されたほか、環境に配慮した素材が特別に開発された。
競技別のユニフォームもまた、同時に発表されている。
オリンピック、パラリンピックの種目は全部で32競技329種目にもなるのだが、今回はそれぞれ専用のユニフォームもお披露目となった。
一部のデザインをここでご紹介したい。
©Le Coq Sportif
まずはフランスで発祥した競技、フェンシング。
こちらは真っ白なボディに、フランス三色旗のモチーフがマスクに描かれている。
やはりグラデーションが特徴的で、シンプルながらもインパクトの強いデザインとなった。
ステファン・アシュプール、Instagramより
https://www.instagram.com/p/C4grS6mCw2n/?igsh=MTh2NmRzem40NzBoZA%3D%3D&img_index=2
アーチェリー選手のユニフォームはエクリュ色が基調となっていて、肩部分に「FRANCE」と濃紺の文字でデザインされている。
ステファン・アシュプール、Instagramより
https://www.instagram.com/p/C4dHq8ViK5Z/?igsh=ZWJ2bmdmYzN0aG5q&img_index=2
新体操選手のユニフォームには、フェザーとスパンコールが特別にあしらわれた。今回の中でもいちばん華やかなデザインに。
Le Coq Sportif、Instagramより
https://www.instagram.com/p/C4ctjyfsjWX/?igsh=MWs2enZrY21kdXZkOQ%3D%3D
東京2020オリンピックから正式競技となったスケートボード。
選手のユニフォームはメディアや国民からも人気が高い。
淡いグラデーションはシューズにもデザインされた。
前回の東京2020オリンピックでは、フランス選手団のユニフォームデザインを仏アパレルブランド「ラコステ(Lacoste)」が手がけていた。
しかし2024年に「ル・コック・スポルティフ(Le Coq Sportif)」がグラデーションを採用した理由には、先に述べた内容のほかに、フランスが志している多文化主義があるという。
つまり3色の融合は“異文化の融合”を意味しており、フランスが舞台となる2024年パリ五輪にふさわしいデザインだと考えられた。
ただ柔道や馬術では伝統的なユニフォームが採用されているため、その場合はワンポイントのエンブレムにトリコロルカラーが施される。
※東京2020オリンピックの閉会式、引継ぎセレモニーにて。2021年パリ、柔道女子63キロ級金メダリスト、クラリス・アグベニェヌ選手。
メダルデザイン、ユニフォームデザインと、日を追うごとに明らかになるパリ五輪の詳細。
7月から始まる実際の競技では、フランスカラーを身にまとった選手たちを見ることになりそうだ。(ち)