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パリ最新情報「オリンピック選手団、続々とパリに到着!食を中心に賑わう選手村」 Posted on 2024/07/22 Design Stories
パリ五輪選手村が7月18日に正式オープンし、世界中のアスリートたちが続々と到着している。
大会期間中は、ピーク時で約14,500人のアスリートとスタッフが選手村に滞在する予定だ。パリ中心部からは北に数キロ離れているが、3つの市町村にまたがり、総面積52ヘクタールを超える選手村では、アスリートが必要とするすべての施設とサービスが整っている。
アスリートたちが競技に集中できるよう、最高のコンディションで迎える選手村。
19日には世界各地で起こったシステム障害により、一部のフライトスケジュールが乱れ選手の到着にも遅れが出たというが、現在ではシャルル・ドゴール空港・オルリー空港ともに通常運行が再開されている。
開会式を間近に控えた21日(日)には、すでに2,000人以上の選手が入村を果たしたということだ。
選手村の敷地内には、80棟のマンションとトレーニングルーム、カフェ、スーパーマーケット(カルフール)、郵便局、美容院など、さまざまな設備が揃っている。
なかでもレストランは敷地内唯一の24時間営業で、アスリート・スタッフからも大好評だという。
開催中は1日約4万食が提供されるが、これはサッカーのワールドカップ10回分の食事量に相当する。
メニューは世界各地の料理、全500種以上。またフランスの美食を紹介するだけでなく、バゲットの作り方講座なども開催される予定だという。
※選手村のレストラン。©Vincent Gibert / HUFFPOST France
「選手村では、食事サービスが重要な役割を果たします。選手たちのパフォーマンスに貢献し、誰もが自宅にいるように感じてもらえればと思います」
こう語るのは、選手村の運営ディレクターであるローラン・パストゥール氏だ。
もちろん、食文化の異なる選手たちへの配慮も欠かしてはいない。
レストランで提供される料理の区分は、フランス料理、アジア料理、アフリカ・カリブ海、世界の(郷土)料理と、大きく4つのテーマに分けられている。
さらには、30種類以上の野菜がならぶサラダバー、肉とサイドメニューを焼くグリル、チーズコーナー、ベーカリーコーナー、デザートバー、多種多様な果物がならぶフルーツバーが合わせて用意された。
※サラダバーの様子。©Vincent Gibert / HUFFPOST France
なお全体メニューの約80%は、地元「フランス料理」だ。
その一例としては、ブランダード・ドゥ・モルー(塩漬けにしたタラとマッシュポテトの料理)や、ベジタリアン・ブルギニョン(野菜を赤ワインで煮込んだ料理)などがある。フランス料理のシンボル、バゲットはとくに本格的で、パン窯を使ってその場で焼き上げられるという。
またフランスらしく、シェフ自慢のコース料理も用意された。
1日600食限定のメニューではあるが、クロワッサン・ヤギのチーズとトリュフ添え、ベジタブルブイヨンスープなど、ミシュランの星を獲得したシェフが提供するメニューが楽しめる。
※ミシュランの三ツ星シェフ、アレクサンドル・マッツィア氏考案の一皿。ひよこ豆のペーストに、ビーツ、そら豆、シーフードフリット。Credit: Sodexo Live!
今回は約半分がベジタリアンメニューだといい、衛生上の観念から持ち帰りは用意されない。※負傷者・病人を除く。
食材の80%はフランス国内で生産したもので(肉・卵・乳製品は100%フランス産)、うち30%はオーガニック素材、25%は「選手村から250kmの範囲内」で運ばれてくる。
フードロスとの戦いにも重点が置かれ、フランスの各協会やフードバンクが毎日、余った食材を回収しているという。
そんなオリンピック選手村には、世界208の地域と国からアスリートが集まる。
22日(月)にはマクロン大統領も激励に訪れるということで、ますますオリンピック熱が高まるのだろう。(内)