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パリ最新情報「聖火がパリを駆け抜けた!名所をめぐるリレー、革命記念日に合わせて」 Posted on 2024/07/16 Design Stories  

 
7月14日、パリにオリンピックの聖火が到着した。聖火はパリ市内で盛大に迎えられ、14日と15日の二日間にわたってリレーが行われた。
去る14日はフランスでもっとも重要な祝日、革命記念日だった。そのためシャンゼリゼ大通りで行われる例年の軍事パレードは、フォッシュ通り(凱旋門に向かって左方向)に場所を移して開催。そして13時前には、第一走者にオリンピックの炎が渡され、人々の大声援のもとでリレーがスタートした。
 

パリ最新情報「聖火がパリを駆け抜けた!名所をめぐるリレー、革命記念日に合わせて」

※14日、聖火リレーのスタート地点となったシャンゼリゼ大通り。



 
ギリシャから、地中海をわたってフランスにやってきた聖火。5月にマルセイユ港に到着したあとは、モン・サン・ミッシェルやシャンボール城など、フランスの各地をまわっていた。
パリではシャンゼリゼ大通りを皮切りに、ノートルダム大聖堂、ルーブル美術館、エッフェル塔、モンマルトルといった名所が聖火のコースになった。またそれぞれのポイントでは、聖火到着に合わせてオーケストラや歌・ダンスのパフォーマンスが披露された。
 

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※プティ・パレではオペラ歌手とバイオリン奏者が聖火を迎えた。

 
バカンスシーズンに突入し、人が少ないと思われたパリだったが、聖火は行く先々で大観衆に迎え入れられる。オリンピックの炎がはるばる到着したことで、大会のムードが一気に高まったという印象だ。
 

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14日、パリ左岸に入った聖火は、サン・ジェルマン・デプレ地区を経由しながらパンテオン(パリの霊廟)、リュクサンブール公園、ソルボンヌ大学を通過。サン・ジェルマン・デプレ地区ではカフェの給仕さんたちが道端で声援を送るという、非常にパリらしい光景が見られた。
 

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なかでも特に印象深かったのは、火災工事から再建中のノートルダム大聖堂だ。この日の大聖堂前には、火災と戦った数十人の消防隊員が集結。パリ消防団の体操チームも加わり、聖火を待つあいだに力強いアクロバティックショーを披露した。
 

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パリ最新情報「聖火がパリを駆け抜けた!名所をめぐるリレー、革命記念日に合わせて」

 
隊員たちが聖火を迎え入れると、通りからは大きな拍手が。また同地点の聖火ランナーには、当時の消火を担当したパリ消防隊員(現在は引退)が選ばれた。このようにパリの聖火リレーでは、その土地を象徴する面々が集まったほか、土地の「立役者」として活躍した人が聖火ランナーを務めていた。
 

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その後、聖火はバスティーユ広場、テロの記憶が残るバタクラン劇場などをめぐり、午後9時にルーブル美術館へ。誰もいない美術館内で名画『モナ・リザ』、『民衆を導く自由の女神』を背景にしたあと、ガラスのピラミッド前に立ち止まって夕陽を仰いだ。
 

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※このあと聖火はパリ市庁舎に向かい、エッフェル塔では花火が打ち上げられた。©Paris 2024 / Guillaume Ruchaud

 
そして15日、聖火は再びモンマルトル、凱旋門、トロカデロ広場、エッフェル塔といった名所を駆け抜けた。二日間にわたって、パリのシンボルをすべて紹介したかたちだ。
聖火は一旦パリを出てフランス各地をまわる予定だが、開催初日の26日には再度パリに戻り、テュイルリー公園の聖火台に灯される。
 

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https://x.com/le_figaro/status/1812766578045247773?s=12
※15日、ムーランルージュではフレンチ・カンカンが聖火をお出迎え。



 
パリで行われたオリンピックの聖火リレーは、国を挙げての一大イベントだったと思う。
そのボリュームは、まさに100年に一度。聖火を運ぶだけでなく、パリの歴史や記憶、良くも悪くもそのすべてを呼び起こす場所を駆け抜けたことが印象的だった。

こうしたコースは、パリのアンヌ・イダルゴ市長らによって考案されたという。
市長によれば、「聖火リレーは、パリという街と、パリをパリたらしめている人々、幸せと困難のすべての物語です」ということだ。
そのためか、先週までは選挙一色だったパリも、聖火によって一気にオリンピックムードに。革命記念日に合わせたリレーが、開催地パリの機運を高めたのだろう。(内)
 

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