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パリ最新情報「パリ五輪、メダルトレーとユニフォームを発表、メダルを運ぶ姿もフランスらしく」 Posted on 2024/07/12 Design Stories  

 
パリオリンピック・パラリンピックのメダル、開会式で選手たちが着用するユニフォームに続き、3種のメダルをのせる「トレー」の公式デザインが発表された。
今回は、トレーと一緒にメダル・ベアラー(メダルを運ぶスタッフ)の衣装デザインも披露されている。トレーはルイ・ヴィトン製のもので、衣装デザインはフランスの企業LVMHが担当した。
 

パリ最新情報「パリ五輪、メダルトレーとユニフォームを発表、メダルを運ぶ姿もフランスらしく」

※LVMH Instagramより



 
金・銀・銅のメダルは、ルイ・ヴィトンを代表するデザイン、ダミエキャンバス(市松模様)のトレーにのって表彰台へと運ばれる。トレーは一つひとつが職人による手作りで、メダルに触れる部分にはブラックレザーが裏打ちされているという。なお各メダルのデザインは、フランスのジュエリーメゾン「Chaumet(ショーメ)」が手がけている。
 

パリ最新情報「パリ五輪、メダルトレーとユニフォームを発表、メダルを運ぶ姿もフランスらしく」

※LVMH Instagramより



 
一方メダルを運ぶスタッフのユニフォームは、100%エコ素材。
2024年パリ大会では性別を問わない“ジェンダーレスルック”が採用され、男女ともにクリーム色のポロシャツ、サイドにラインの入ったダークベージュのバギーパンツ、そしてフレンチスタイルにちなんだガヴローシュ・キャップが用いられた。
ガヴローシュ・キャップとは丸みを帯びた帽子のことで、小説『レ・ミゼラブル』の登場人物、ガヴローシュの名前から来ている。またユニフォームは、1920年代のパリにオマージュを捧げたデザインだという。
 

パリ最新情報「パリ五輪、メダルトレーとユニフォームを発表、メダルを運ぶ姿もフランスらしく」



 
史上もっともサステナブルな大会を目指すパリ五輪は、スタッフがまとう衣装にも気を配っている。
事実、ユニフォームのポロシャツとガヴローシュ・キャップは、LVMHグループで出た余剰生地をアップサイクルしたものだ。さらにリサイクル・ポリエステルを使用したパンツは、フランスの難民職人を支援する非営利団体「ラ ファブリック ノマド」の協力のもとで製作されている。
メダル・ベアラーには515人のボランティアスタッフが選ばれたが、彼らは大会後、着用したユニフォームを持ち帰ることが可能だという。
 

パリ最新情報「パリ五輪、メダルトレーとユニフォームを発表、メダルを運ぶ姿もフランスらしく」

 
2024年のパリ大会では、競技ユニフォーム、メダル、メダルトレーなど、スポーツとファッションのコラボレーションが次々と発表されている。どれもフランスを代表する作り手で、伝統を継承しながらも、リユースやアップサイクルといった現代的テーマを抱えているのが特徴だ。
隅々までフランスらしさが光る今大会、画面に映るアイテムの一つひとつにも注目したい。(や)
 

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