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パリ最新情報「もうすぐスーパーから消える?フランスで超品薄状態の食品リスト」 Posted on 2022/04/16 Design Stories  

 
終わりの見えないウクライナ情勢、未だに硬い国境の壁。
それに加え、長引くインフレの影響でフランスの物価上昇が止まらない。
4月24日の大統領選ではマクロン氏とルペン氏の一騎打ちとなることが決まっているが、今の国民の関心事は「年金改革」や「移民対策」より、圧倒的に「購買力」だ。

昨今の食料品の値上げは家計にもダイレクトに響いている。
価格上昇を通り越して品薄状態、もしくはすでに欠品となっているアイテムもいくつかあるのだが、具体的にどんな食材が危機的状況にあるのだろうか。
4月以降、フランス国内で差し迫ったリスクのある商品6つをリストアップした。
 

パリ最新情報「もうすぐスーパーから消える?フランスで超品薄状態の食品リスト」



 
1、鶏肉

まず、鶏肉は養鶏場における飼料用トウモロコシがウクライナ情勢によってかなりの影響を受けている。
それだけではない。
昨年11月からヨーロッパで鳥インフルエンザが流行し、フランスでの被害も拡大した。
フランス南西部では大規模な流行が報告されており、これまでに1000万羽以上が殺処分となった。
多くの養鶏場が壊滅的な打撃を受けているため、鶏肉や卵の品薄は不可避である。

2、マスタード

フランスは、マスタードシードのほとんどをカナダから輸入している。
しかし、昨年のカナダの干ばつで生産量が半減。
結果、価格が上昇し続けており、調味料コーナーの隙間を埋められないスーパーが多い。
仏マスタードメーカーは原料供給の問題に加え、製品のパッケージに必要なガラスや金属の価格高騰にも懸念を示している。

3、ジャム

2021年と同じ春の霜害で、多くの果物の収穫が危ぶまれている。
ところが仏国内メーカーは国産にこだわり、外国からの輸入に消極的な企業が多いことから今年もジャムの価格上昇が予想される。
現在、値上げを押し切ろうとするメーカーとそれを受け入れない小売店の交渉が続いているため、一時的に欠品が続いているブランドもある。
マスタードと同じく、ガラスポットや蓋はウクライナ情勢により価格が上昇している。
 

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4、小麦粉

小麦粉は世界各地で在庫が減少している。
フランスは世界6位の小麦生産国のため、ロシア・ウクライナからの供給がストップしたことによって需要が激増。
国内でも小麦粉不足の懸念は高まっており、一部のメーカーはEUに輸出の禁止を要請している。

5、ヒマワリ油

現在、最も手に入らないのがヒマワリ油だ。
ロシア、ウクライナ両国が世界有数のヒマワリの輸出国であることから、フランスもダイレクトに影響を受けている。
フランス大手スーパーのLeclerc(ルクレール)は、さしずめ6月までは在庫があると発表しており、消費者に慌てないよう喚起している。

6、パスタ

パスタも小麦粉と同様、原料の入手が困難である。
食料品の中でも値上げが著しく、昨年2月と今年の2月比では+11%もアップした。
たとえ世界情勢が落ち着いたとしても、企業が一度上げた価格を下げるとは考えにくく、この先も上がったままの可能性は高い。
 

パリ最新情報「もうすぐスーパーから消える?フランスで超品薄状態の食品リスト」



 
ウクライナ情勢、インフレ、そして異常気象と、2022年の値上がりはフランス人の財布を直撃する。食料品の他にもティッシュ・トイレットペーパーの値上げが予定されており、終わりは見えない。
各スーパーマーケットは、価格が高くなる前にまとめ買いに走れば新たな品不足に陥る恐れがあるとし、買いだめを控えるように呼びかけている。(オ)
 

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