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パリ最新情報「フランス、ファイザー製コロナ飲み薬を販売へ。EU初」 Posted on 2022/02/04 Design Stories
フランス保健省は、ファイザー製の新型コロナウイルス感染症の飲み薬「Paxlovid(パクスロビド)」を2月4日金曜日より、一般に向けて流通を開始すると発表した。
フランスはEU加盟国の中でも初めてパクスロビドを流通させる国となり、初回には1万回分の錠剤が確保された。
これまでに報告された、飲み薬パクスロビドの留意点・効能・副作用などは以下の通りである。
・パクスロビドとは?
フランス保健省によると、パクスロビドは経口投与される抗ウイルス剤であり、「ウイルスの増殖を防ぎ、発症から早期内に重篤化のリスクを減らすこと」を目的としている。
1日2回、5日連続で服用する。オミクロン株にも有効である可能性が高い。
・対象者は?
フランス国内においては、酸素療法を必要としておらず、重症化するリスクの高い18歳以上の成人を対象としている。
基礎疾患保持者、ワクチンを受けられない高齢者などに優先されるが、予防的投与は認められない。
発症から5日以内に薬を処方する必要があり、医師の処方箋があれば薬局で受け取れる。
保険適用。
・今わかっている副作用は?
1349人の患者に対して実施された臨床試験によると、主な副作用として味覚障害(3.7%)、下痢(1.9%)が報告された。
18歳未満の者にはまだテストを行っていない。
・禁忌事項は?
妊娠中の女性、および腎不全や重度の肝不全を患う人には処方できない。
糖尿病、不整脈、高血圧などの一部の薬とは併用できず、医師と相談する必要がある。
・効能は?
ファイザー社によると、試薬の段階では、入院中の急変が減る、また死亡率が85.2%減少するといった効果が確認されている。
しかし、ワクチンの代替となるわけではないので、予防接種を引き続き行うことが推奨されている。
パクスロビドが初めて市場に流通することについて、フランスメディアは1月下旬から連日のように報道を行っている。
一般市民のあいだでは、「ワクチンを打てないお年寄りに処方されるのは良いこと」と肯定派もいるが、中には「ビジネスなのでは?」と懐疑的な人も。
ワクチンが始まった2021年春と同じく、今のところフランスでは新しい飲み薬に対して慎重な姿勢をとる人が多いようだ。
2月2日には、パリの新規感染者の98.8%がオミクロン株であることが分かった。
しかし、同日から屋外でのマスク着用も義務ではなくなり、段階的にコロナの規制緩和を始めたフランス、、、パクスロビドはさらにこの流れを変えるのか。今後の流通に注目が集まる。(大)