フランスでは新型コロナの新規感染者数がピークを超えつつある。
とはいえ、2月8日の感染者数は235,267人。50万人を超えた1月末に比べて半分以下となったが、感染者数で計りきれるものではなく、いつ誰がどこで感染してもおかしくない状況が続いている。

パリ市ではそのほとんどがオミクロン株であり、2月8日の比率は新規感染者の98.88％であった。
オミクロンを患った、もしくは家族がオミクロン陽性で濃厚接触者になってしまった、という人が後を絶たない今、フランスの感染者はこの第5波をどう過ごしたのか。
実際にオミクロンを患った周囲のフランス人から症状・陰性になるまでの期間・自宅での過ごし方を伺うことができたのでここでご紹介したい。

・30代半ば男性、会社員
12月28日に頭痛、咽頭痛の症状が現れた。その後のPCR検査で陽性が判明、オミクロン株であることが分かった。ワクチン2回接種済み、感染経路は友人との食事会。
1月3日から仕事始めであったが、症状は治まっていた。
雇用者に陽性である旨の報告は義務で、自身は管理職であるため、100％在宅勤務とした。
1月7日に陰性となったが、引き続き在宅勤務を続け、現在は週に一度の出社のみ。
同居していたパートナーも陽性となり、食料調達はオンラインで注文し、配達してもらっていた。

・20代後半女性　会社員
12月22日に発熱、倦怠感、のどの痛みの症状が出た。クリスマス前のPCR検査でオミクロン陽性であることが分かった。ワクチン2回接種済み、感染経路は不明。
クリスマス休暇に入っていたため、仕事は休みであった。
クリスマスはどこへも行けなかったが、家族と離れてフランスで暮らしているため、祖国の家族とビデオで会話していた。配達、ウーバーイーツをよく利用した。
12月30日に陰性となり、100％在宅勤務で仕事復帰。2月2日よりテレワーク義務が解除となったので、現在は週2出社＆週3在宅勤務のハイブリッド方式をとっている。

・30代前半男性　会社員
12月24日に喉の灼熱感、寒気、38度の発熱といった症状が出た。3日間は辛い症状が続いた。その後のPCR検査でオミクロン陽性と判明。ワクチン2回接種済み、感染経路は前週に行ったパリのバー。
転職期間にあり、1月5日から転職先の会社に出社する予定だったが、事情を話し17日開始と契約を変更してもらった。
1月7日に陰性となった。同居するパートナーは期間中、陰性であったため日用品の買い物を代行してもらった。濃厚接触者となったパートナーはワクチン接種済みの陰性者だったので、隔離は必要なかった。

・60代前半女性　定年退職済
1月1日に微熱、軽いのどの痛みの症状が出た。1月3日のPCR検査でオミクロン陽性となった。ワクチン3回接種済み、感染経路はクリスマスの家族の集まり。後遺症は今のところない。
陰性となったのが1月17日で、2週間強と長く、症状そのものよりも一人暮らしで家にこもっている方が辛かった。
しかし近所に高齢者が多く、家から出ずにいた。近くに住む友人に食料のまとめ買いをお願いし、玄関の前に置いてもらった。

印象的だったのは、ワクチン接種済みにも関わらず、オミクロンに感染している人が多いということだ。フランスではデルタ株に感染し、その後オミクロン株にも感染した複数感染者もいるとのこと。
オミクロンは軽症と言えど感染力が強いことも明らかになっているので、引き続き自己防衛を徹底していきたい。（お