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パリ最新情報「ワクチン接種済みの濃厚接触者が陰性の場合は隔離なし、という新方針」 Posted on 2022/01/03 Design Stories  

昨年と同様、静かな新年を迎えたフランスだが、オミクロン株が想像を超える速さで蔓延している。
2022年1月1日の統計によれば、フランスにおけるコロナ新規感染者数は219,126人、死者は110人。そして驚くべきことに、イル=ド=フランス地域圏(パリを中心とした首都圏)では、オミクロン株が陽性の73%を占めるようになったという。
1日が祝日、2日が日曜日であったため多くの検査機関は休業であった。にも関わらずこれほどの感染者数が出たということは、週明けの3日にはさらに多くの数が報告されることになるだろう。

このところ毎日過去最高記録を更新しているフランスでは、パリを中心に、20歳から29歳の若者の間で発生率が爆発的に増加している。
クリスマスや年末年始の大移動で感染が広がったことは言うまでもないが、昨年暮れには「家族内で感染者が出た」という理由で検査を受ける人が多発。ラボの前では大行列ができたほどだった。

パリ最新情報「ワクチン接種済みの濃厚接触者が陰性の場合は隔離なし、という新方針」



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フランスの正月は暦通りなので、1月3日から仕事も学校も始まる。
政府は社会が動き出す3日(月)からのコロナ措置として、以下の通り追加項目を発表した。

・ウイルスの株に関わらず、ワクチン接種済みの人が感染した場合の隔離期間が緩和される。今までは10日間の隔離が必要であったが、これを7日間に短縮。ただしワクチン未接種者は緩和されず10日間の隔離が必須。
・濃厚接触者が陰性だった場合、ワクチン接種済みを条件として隔離は必要なし。ただしワクチン未接種者は7日間の隔離が必須。
・テレワークが可能な職に対し、週3日以上のテレワークの「義務化」。違反した場合は従業員1人あたり最大1,000ユーロ、上限50,000ユーロの罰金が科せられる。1月3日より3週間有効。
・6歳以上の子供もマスク義務化。
・映画館、劇場、公共交通機関での飲食禁止など

年明けに新たに発表された追加措置で目立ったのは、ワクチン接種の有無によって、コロナ陽性者もしくは濃厚接触者の隔離期間が異なるということだ。
今回からは濃厚接触者が陰性となった場合、ワクチン接種済みを条件として隔離期間がゼロとなった。今まで大量に出ていた隔離者をここで緩和し、仕事に出られない状況をなくすことで経済の停滞を回避する。

パリ最新情報「ワクチン接種済みの濃厚接触者が陰性の場合は隔離なし、という新方針」



ワクチン未接種者に対して包囲網を強く張るフランス政府だが、一方でオリヴィエ・ヴェラン仏保健相は2日、「この第5波はおそらくパンデミックの最後となるだろう」と前向きな意見を述べている。
フランスは、ワクチンが行き届かない貧困国に対して「ワクチン寄付」を行う世界第3位の国。新ウイルス株の出現場所となりかねない貧困国にワクチンを積極的に贈ることによって、新種のウイルスが現れるのを阻止する狙いがあるという。
2022年もワクチンが最優先される年となりそうだ。(お)

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