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パリ最新情報「ノートルダム大聖堂がついに再開へ。パリの心、再び!」 Posted on 2024/12/09 Design Stories  

 
12月7日、ゴシック建築の宝石であり、フランスと首都パリの普遍的なシンボルであるノートルダム大聖堂が、ついに再開した。
2019年の火災事故から、約5年ぶりによみがえったノートルダム大聖堂。同日夜には復活を記念した特別礼拝が行われ、マクロン大統領やパリ市長、国外の首脳ら約40人、そして消火活動を担当したパリの消防隊員など、大勢の招待客が集まった。
 

パリ最新情報「ノートルダム大聖堂がついに再開へ。パリの心、再び!」

※再開日前日のノートルダム大聖堂



 
特別礼拝はフランスのテレビでも生中継され、一連の流れをみなで見守ることができた。中でも印象的だったのは、消火活動にあたった160人の消防隊員と、再建に携わった職人たちが、参列者全員からスタンディングオベーションで迎えられた場面だろう。大聖堂の正面には彼らの功績を称えるかのように、大きな「MERCI(ありがとう)」の文字が映し出されていた。
 

パリ最新情報「ノートルダム大聖堂がついに再開へ。パリの心、再び!」

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さらに、特別礼拝にはフランス国外からも多くの要人が招かれた。参列者の中には、アメリカのドナルド・トランプ次期大統領(外国訪問としては大統領選後初)、ウィリアム英皇太子、ウクライナのゼレンスキー大統領、モナコのアルベール2世大公らが名を連ね、経済界からはアメリカのイーロン・マスク氏や、フランスのフランソワ=アンリ・ピノー氏らが姿を見せた。
 

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※トランプ次期大統領はマクロン大統領の隣、最前列に

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※ウクライナのゼレンスキー大統領



 
ただ、再開直後のノートルダム大聖堂には厳重な警備が敷かれ、一般の人々は近づくことが許されなかった。大聖堂があるシテ島とその周辺に、「対テロ境界線(SILT)」と呼ばれるセキュリティゾーンが設定されたためだ。

よみがえったノートルダム大聖堂を一目見ようと、多くの市民が集まった先週末。その美しいシルエットを目の当たりにするには、セキュリティが解除される8日朝まで待つ必要があった。
とはいえ、再開後のノートルダム大聖堂には、以前のように気軽に入ることができない。入場には、再開前に導入されたオンライン予約が強く推奨されている(義務ではないが、予約なしでは非常に長い待ち時間が予想される)。
 

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※オリンピック並みの警備が敷かれた7日、ノートルダム大聖堂の周辺にて



 
実際にホームページから予約プラットフォームを開いてみると、アクセスが集中しているためか、画面がほとんど動かない。自分も開設初日から予約を試みているが、「現在満席です」というメッセージが毎度表示されてしまう。こうした状況からも、ノートルダム大聖堂がいかに多くの人を惹きつける存在であるかを改めて実感させられる。

そんなノートルダム大聖堂は、12月9日から13日までは15時30分〜22時、12月14日・15日は15時30分〜20時、そして16日以降は朝7時45分から19時までの通常営業に戻る予定だという。訪問を検討している人は、定期的に予約サイト(ノートルダム大聖堂公式HP)を確認するか、訪問時期を少し遅らせることをおすすめしたい。
 

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※大聖堂のあるシテ島



 
火災直後は、「再建にはあと数十年かかるだろう」「実現不可能なプロジェクト」などと言われたノートルダム大聖堂。しかし「必ず復活させる」という人々の情熱と努力が、わずか5年半という驚異的なスピードでの再建を実現させた。
もちろん、これほどの大聖堂が、これほどの規模で復旧されるのはきわめて稀なことだ。そのためだろうか、雲に覆われた暗い空が続くパリでも、歩く人々の表情にはどこか晴々としたものがあった。(コ)
 

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