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パリ最新情報「コロナと共に生きる、フランス教育機関の新たな指針に驚く」 Posted on 2020/09/19 Design Stories  

フランスの学校は、思い切った新たなコロナ方針を各家庭に通達した。
「もしも、クラスに陽性者が一人出た場合、本人とその兄弟は7日間の自宅待機とする。1週間後、元気であれば学校に戻る事ができる。症状がなくとも、家族などが新型コロナに罹って、本人も陽性反応が出た場合、その日から1週間、症状がある場合は症状が出た日から1週間を、新しい隔離期間とする」
というものである。
これはこれまでコロナウイルスに罹ったら二週間の隔離が義務付けられていた常識を覆す少し驚きの決定と言える。
なぜ、このような教育機関の方針変更がくだされたのか?



オリヴィエ・ヴェラン保健相はコロナ陽性者の隔離期間を、科学者と論議した上で、14日間から7日間に縮めることとした。
コロナ感染者が感染力のある期間は陽性反応が出た時から5日間と考えられ、5日以降は感染力が5%以下に低下する。
子供が重症化するケースもこれまでのデータから非常に少なく、子供から子供への感染がほとんど見られないという科学的データが現在は一般的になっている。
今現在、考えられる感染は大人から大人、大人から子供がほとんど。この政府の新しい方針から、教育現場では、子供たちが感染した場合でも、クラスターじゃない限り、学校閉鎖をしないということになった。つまり、コロナよりも、教育の推進に力を注いだ格好と言える。

経済を優先したいのでは? という声もあるが、従来の14日間の隔離はフランスの国民性からしても、これを守り抜くのが現実的に難しいという政府判断が働いた結果と言える。
法律を守れない人たちを自宅で2週間隔離することは現実的に無理だと判断したのである。
フランス政府はよくフランス人の国民性を理解している、ということも出来る。
この決定は、在仏日本人であれば、よくわかる内容かもしれない。



夏のバカンス前は日本よりも少なかった感染者数が、バカンス後、一気に毎日一万人にまで増えてしまった、このラテンの血、気質。政府首脳陣の苦悩は想像に容易い。
そこで、感染能力の研究によって1週間以上の隔離はあまり意味がないという科学者の判断を根拠にし、その期間を7日間とした。
その代わりこの7日間は何が何でも隔離してもらう、というオリビエ・ヴェラン保健相の強い決意によるものなのだ。推移を見守りたい。

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