欧州最新情報
欧州最新情報「ドイツに明るい兆し。2年ぶりに人気音楽祭が復活!」 Posted on 2021/07/02 Design Stories
コロナ禍で映画館や劇場、美術館といった文化施設が長期間にわたって閉鎖され、コンサートや演劇等、多くのイベントが中止続きだったドイツだが、ワクチン接種が進んだおかげか、ここ最近のコロナ感染者数は劇的に減少しており、映画館、劇場、美術館もオープンし様々なイベントも少しずつ再開されている。
昨年は残念ながら、開始以来初の中止となってしまったドイツ最大の音楽祭の一つであるラインガウ音楽祭も、今年は2年ぶりに開催されることとなり、6月26日のオープニングコンサートと共にスタートした。
ちなみに、ラインガウ音楽祭が開催されるラインガウ地域というのは、南から北へ流れるライン川が、ルートを変更し東から西へと流れるあたり、ヴィースバーデンの東のウンターマインから、リューデスハイムの北にあるロルヒハウゼンに至る一帯を指し、ワインの産地としても世界的に有名である。
ラインガウ音楽祭は1987年にスタートした。毎年6月終わりから9月初めにかけてラインガウ地域の様々な場所でクラシックやジャズを中心とした多くのコンサートが開かれる。
年を追うごとに人気は高まっており、最近ではすぐに売り切れてしまうコンサートのチケットも多い。開催場所はコンサートホールだけではなく、教会や修道院、古城に古いワインケラーといった雰囲気のある場所が多くあり、そのユニークな開催場所も音楽祭の人気に寄与しているのだろう。
音楽祭のチケットの発売は毎年2月あたりに始まるが、今年のチケットが販売開始になった頃はドイツのコロナ感染状況は本当にひどく、チケットが販売されても実際に開催されるのかどうか半信半疑だったが、無事開催されることになったのはとても喜ばしい。
今年の音楽祭では全部で192のコンサートが22の異なる場所で開催され、販売チケット数は合計で11万5000枚とのこと。
前回2019年の音楽祭はコンサート数が146、開催場所は37で来場者数は約12万人だったそうなので、今年はコンサート数は増やし、1コンサートあたりの入場者数は減らしている様子。
チケットの予約サイトをのぞいてみると、入場者数が会場の約50%に抑えられるよう、予約できる座席は間隔を空けて設定されている。
さらに、コロナ対策として来場者には以下が求められている。
ー入場前にオンラインで来場者の氏名、住所、来場するコンサートでの座席を事前登録
ーコロナワクチン接種終了者はワクチン接種の証明書の提示
ーコロナの既感染者は、感染したことを示す医師からの証明書の提示
ーワクチン未接種かつ既感染者ではない場合は、入場24時間前までのコロナ感染テスト陰性の結果の提示
ーコンサート会場ではマスクを着用
感染テストに関しては、コンサート会場でも待ち時間なくテストが受けられるよう、テストセンターと契約して準備している、と主催者側から発表されている。
コロナ禍で音楽や演劇といった文化活動は中止を余儀なくされ、芸術家たちは大変苦しい時期を過ごしてきた。
最後まですべてのコンサートが開催できることを心から祈っている。(マ)