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パリ最新情報「フランス、動物の権利を拡大へ。新たな法律が誕生」 Posted on 2021/11/20 Design Stories  

11月18日フランス国会において、動物の権利を拡大する新法案が可決された。
これは、「動物と人とのつながりを強化する」ことを目的としたもので、フランスでは長きに渡って議論されてきた課題である。
ペットショップでの子犬や子猫の販売は以前より取り締まりが強化されていたが、今回の新法では2024年から完全に禁止となることが決まった。
今後は、認定された優良ブリーダーからの購入か、保護施設の譲渡会で引き取るかの2択になる。

フランスでは現在、約6200万匹の動物がペットとして飼われているという。しかしながら、毎年およそ10万匹のペットが捨てられる不名誉な現実も抱えている。
コロナ禍でペットを迎え入れる人が増えた一方、一部の心無い人たちがバカンス前に高速のサービスエリアに捨ててしまった、という痛ましいニュースもあった。

パリ最新情報「フランス、動物の権利を拡大へ。新たな法律が誕生」



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今後適用となる法律では、買い手に誓約書の提出を義務づけ、署名から購入まで7日間空けることが決まった。また、18歳未満の未成年者の場合は親の同意が必須に。いずれもペットの衝動買いを防ぐためである。

また、フランスには「ボンコワン」と呼ばれる日本のメルカリのような売買サイトがあり、そこでブリーダーではない人が犬猫を販売したり、振込詐欺を装う悪質な輩もいるとのこと。フランス政府はそういった横行にもメスを入れ、インターネットを介した販売は特に規制を強化する。
ペットを虐待死させた場合は最長で禁錮5年、罰金7万5千ユーロ(約980万円)を科すことも定めた。そのほか、虐待を記録した画像の保持、病死寸前のペットの遺棄、未成年者による虐待についても重い処罰が下されるという。
さらに、学校教育にも「ペットを適切に扱う方法」に関する授業を設ける。

そして新法案は犬や猫だけでなく、サーカス・水族館に対しても言及。
2026年までに水族館でのイルカとシャチの飼育が禁止されるほか、2028年までにはサーカスでの野生動物(クマなど)の飼育が禁止されるという。
動物を使ったショーなどはフランス各地のテーマパークで徐々に終了していたものの、今回はショーを行うイルカやシャチの新たな購入や、飼育下での繁殖も今後一切禁止するものとした。

パリ最新情報「フランス、動物の権利を拡大へ。新たな法律が誕生」



ジュリアン・デノルマンディー仏農業大臣は今回の新法について「ペットはおもちゃでも消耗品でもない。ペットの遺棄を無くすことが我々の目標である」と仏Le Monde紙にコメント。一部フランス農村部に残る狩猟や闘牛に関しても「議論できる日が必然的に来るだろう」とし、農業モデルの根本的な改革など、「やるべきことがたくさん残っている」と語った。

アニマルウェルフェアへの意識が高いと言われる欧州。
スペインでは、ペットに対する虐待は人間への虐待と同様に罰せられることになるという新法が今年4月に登場した。新時代の在り方を模索するフランスもまた、ここで大きく前進したと言えるのではないだろうか。(聖)

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