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パリ最新情報「冬のくちどけ『メレンゲ』、フランスでは今が旬!」 Posted on 2023/01/30 Design Stories
フランスでも、凍えるような寒さが続いている。
加えて先週のパリでは晴れ間が1分もなかったという。
冬のフランスはこのように暗くどんよりとしていて、しかも長い。
その分、温かい飲み物を飲む機会も多いのだが、「お茶菓子」として最近よく見かけるようになったのが、パティスリーに並ぶ“メレンゲ”である。
※チーズ屋さんでも売られているメレンゲ
メレンゲは、卵白と砂糖を泡立てて作られるシンプルなお菓子。
食材としてはマカロンの他、いろいろなスイーツに使用されている。
発祥地は諸説あるのだが、スイス、イタリア、フランスのどこかであるという説が有力らしい。
さてスイーツの国フランスでは、メレンゲがどのように登場しているのか。
冬本番を迎えたパリからお届けしたい。
お菓子としてのメレンゲ、と言えば、指でつまめるほどの小ぶりサイズを想像する。
しかしフランスのパティスリーでは、特大サイズのメレンゲが何種類も登場するようになった。
大きいものでは、その長さは約20センチもある。
フレーバーもクラシックからチョコ風味、フランボワーズ風味とあり、チョコチップやアーモンドスライスが乗っているのが特徴的だ。
メレンゲは一年を通してパティスリーに置かれているのだが、こうしてセンターに飾られるのはこの季節ならではと言える。
それもそのはず、仏人パティシエの話によれば、乾燥した冬の空気はメレンゲ作りに最適な条件なのだとか。
※レストランのデザートでもソルベにメレンゲが添えられていた
さらにパティシエにとってのメレンゲは基本中の基本であり、簡単ではあるが技術の差が出やすいとのこと。
そのためパティスリーによっては、同じメレンゲでも風味がまったく違う、ということがよくある。
メレンゲを使ったスイーツで有名なのは、フランスのタルト・オ・シトロン(レモンタルト)ではないだろうか。
タルト・オ・シトロンは、ふわふわ・たっぷりのメレンゲが魅力的。
しかしこれからご紹介するのは、いわゆるザクザクっとしたメレンゲが使用されている、フランスならではのスイーツだ!
※メレンゲ・ボールが詰まったお菓子「メルヴェイユーズ (Merveilleuse)」
メルヴェイユーズは、北フランスを中心に200年も前から作られているメレンゲのお菓子である。
中にはざっくりとしたメレンゲが詰まっており、周りはガナッシュ・チョコでコーティングされている。
テニスボールほど大きいのだが、メレンゲが口の中ですぐ溶けるということもあり、罪悪感はちょっと少なめ。
※土台がタルト生地ではなく、メレンゲの「パブロバ(Pavlova)」
こちらのパブロバはメレンゲが土台となっていて、小麦粉を一切使用していない。
オーストラリアから渡ってきたデザートで、名前の由来は「ロシアのバレリーナ、Anna Pavlovaが優雅に踊る姿」なのだそう。
フランスのパブロバの特徴は、メレンゲの上にあるクリームがとても濃厚であること。
フルーツにはレッドベリー系が使用されており見た目にも華やかで、小麦粉を使用しない珍しいスイーツとなっている。
コーヒーや紅茶のお供に、今のフランスでよく見かけるメレンゲ。
レモン風味、シナモン風味、紅茶風味とアレンジが効くのも特徴なので、バレンタインデーのチョコにひとつ添えて、というのも良いかもしれない。(オ)