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パリ最新情報「フランスのロックダウンは終わらない」 Posted on 2020/11/25 Design Stories
今夜(フランス時間20時)、マクロン大統領がテレビ演説を行った。
結果から言うと、ロックダウン解除にならず、とりあえず、12月15日まで延長されることとなった。
フランスは新型コロナ第二波のピークを越え、グラフの山がようやく下りはじめたところ。
集中治療室の占有率は少し落ち着き、実効再生数は0.65にまで下がってきた。
これらは間違いなく、夜間禁止令やロックダウンの成果である。
そして、今日、マクロン大統領は国民に向けて三つの段階的解除案を示した。
第一段階として、今週末11月28日よりすべての商店が再開する。
ー全ての店舗は21時までに閉店しないとならない。8m2に1人などの新しい予防措置が適用される。
外出証明書は必要だが買い物に出かけることができるようになる。
ー移動制限が半径1km、1時間以内から半径20km、3時間まで可能になる。
第二段階として、12月15日より、以下が適用される。
ー感染の状況が落ち着いていればロックダウン解除となる。
ーそれに伴い、映画館、テアトル、美術館が条件付きで再開される。
ー夜間外出禁止令は引き続き、21hから7hまで継続される。(12月24日と31日は例外)
フランス人が一番心配していた家族と過ごす「今年のクリスマス」はロックダウンが解除される運びとなったが、マクロン大統領は繰り返し、大人数での集会をしないよう、注意を促した。※フランス人にとってクリスマスは日本の正月のような意味合いがある。
そして第三段階、最後まで解除されないのが、レストラン、バー、ディスコ、スポーツ施設である。
こちらは1月20日に再開される見通しである。
ただし、これには条件があり、1日の新規感染者が5000人以下であること。
これが実現できなければ2月までずれ込む可能性も囁かれている。
レストラン経営者は「このロックダウンは仕事もできるし、経済への影響が少ないと言われているけれど、レストランやバーの経営者は何もできない。自分たちだけが罰を受けている気分だ」と嘆いている。
「俺たち(経営者)は収入がゼロなのに、家賃や維持費だけはどんどん出て行く・・・。マクロン大統領は文化を守ると発言しているが、レストランだって大切なフランスの文化なのに、私たちを見捨てないで欲しい」と、レストラン経営者たちの訴えは切実だ。
「ここまで一丸となってウイルスと戦ってきた。その中で我々の弱点が明るみに出たのは事実で、その都度、改善しようと努力してきた。私たちが再び自由を手に入れられるのは明日ではないが、しかし、ウイルスに勝とう。私は前向きである」と、マクロン大統領は演説を終えた。(井)