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パリ最新情報「大統領がインスタとTikTokで若者に質問募る」 Posted on 2021/08/03 Design Stories
8月2日(月)、フランスのマクロン大統領がInstagramとTikTokに登場し、若者たちからワクチンへの質問を募った。バカンス先の南仏から、自撮りで、しかもTシャツ姿の大統領に、国民は驚いた。大統領の狙いは、まだワクチン接種をしていない人にワクチン接種を勧めること。フランスでは現在、18歳から24歳までの人口のワクチン接種率が低く、その数は9百万人に対し、わずか3.5百万人と発表されている。
マクロン大統領は、1つ目のビデオで、現在フランスを襲っているコロナ第4波に立ち向かう武器はワクチンしかないとし、フランスでのワクチン接種率などに触れた上で、
「多くの方々がまだ疑問に思っていること、恐れていること、誤った情報や噂、時には全くとんでもない話が出回っていることを知っています。だから、私が直接、皆さんの質問に答えることにしました。さあ、質問してください、できるだけ率直に、わかりやすく説明したいと思います」
と質問を促した。
2本目のビデオから質問に答えており、以下、2つの質問への回答が投稿された。
1つ目の質問 「私は若くて健康です。だから、私はワクチン接種をする理由がありません。なぜなら、重症化しないのだから」
マクロン大統領: 絶対はあり得ません。事実、現在、健康な若者が集中治療室に入っています。それに、もう一つ、長期コロナというのがあります。こちらは、重症化しないまでも、何ヶ月も倦怠感が続き、呼吸困難が続くのです。これはたくさんの若者が罹っています。とにかく、あなた自身が接種したくなくても、周りの人のために接種してください。あなたが接種することであなたの家族、両親や祖父母、友人への感染リスクを下げられるのですから。身近な人たちのために接種してください。
2つ目の質問 「ワクチンはまだわからないし、有効性も100%ではないのでワクチンを接種してもコロナになるのではないか」
マクロン大統領: 答えはシンプルです。ワクチンはアメリカ、ヨーロッパ、アジア、世界の科学者たちが有効性を確認しています。それに、現在コロナで入院している人の85%はワクチン非接種者なのです。リスクゼロは存在しませんが、ワクチンを接種すればあなたがコロナを患うリスクを大幅に減らすことができます。ワクチンは命を救い、ウイルスは命を奪うのです。
フランスでは7月30日(土)、自由を求め、衛生パスに反対する人たち、約20万人が集まりデモが行われたばかり。そのタイミングでマクロン大統領はこのビデオを出し、接種しようかどうかを迷っている人の背中を押すという作戦に出た。
親しみやすい出立ちで、若者からの質問に答えるマクロン大統領。どの動画も質問と回答を1分以内にまとめてあり、何を言っているのかなとついつい聞いてしまう。
まだ、質問はこの2つのみだが、すでに数百万人がこのビデオを見ており、これらの投稿に対するコメントはInstagramだけで1万2千件を超えている。
さまざまな意見が飛び交っているが、マクロン政府はワクチン接種一直線で進んでいる。一歩も譲る気はないようだ。
追記: 8月3日の朝、3つ目の質問が新しく投稿された。
3つ目の質問: ワクチン、特にメッセンジャーRNAワクチンは急いで作られて十分な期間研究されていない。
マクロン大統領: まず、ワクチンはフランスで生まれました。ルイ・パスツールによって、もう、かなり前に作られました。そのおかげで、我々はたくさんの病気から救われました。水疱瘡やポリオなど、2018年以降、子供が接種しなければならないワクチンは11種類あります。そして、メッセンジャーRNAワクチン。こちらもフランスが発見したワクチンですが、昨日今日、発見されたわけではありません。1975年から、約50年前から科学者たちは癌やウイルスに対して、このテクノロジーの研究をしているのです。そして、このコロナ危機に記録的な速さで開発に成功しました。そのことを讃えなければならない。科学者たちが集中し、労力を上げたことと50年間研究されてきたテクノロジーのおかげで、1年という短い期間でこのワクチンが作られたのです。これが真実です。ワクチンは人命を救います。
今日も新しい質問にも次々と答えていくと思われる。(い)