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パリ最新情報「Airbnbパリ、2023年はオペラ座に泊まれるプランを用意!」 Posted on 2023/02/17 Design Stories
暮らすように泊まれる、Airbnb(エアビーアンドビー)が提案するパリの宿泊プラン。
2019年にはルーブル美術館、2022年にはムーラン・ルージュと、Airbnbパリは、これまでにも首都の名所を宿泊場所として提供してきた実績がある。
というのも、Airbnbパリはフランス文化遺産の支援を行なう団体「Fondation du Patrimoine」のメインスポンサーとなっているため。また同社は今年からパリ・オペラ座のスポンサーシップ業務も開始したということだ。
そんなAirbnbパリ、今度は「オペラ座の劇場内で眠るプラン、37ユーロ」を用意したとして、仏メディアを大きく賑わせている。(日本円で一泊約5200円)
宿泊できるのは2023年7月16日(日)、一泊限定で二人一組の予定だ。
実は、オペラ座に人が寝泊りできるような部屋は存在していなかった。
今回オペラ座が寝室として提供するのは、最大のボックス席であり、通常は要人をもてなすために利用される「貴賓席」となる。
※外の景色の代わりに、カーテンを開けると観客席が現れる。37ユーロは貴賓席の番号にちなんだ。
この貴賓席は伝統的に、仏大統領や諸外国の国家元首のために用意されている。
しかしオペラ座は来たる「夢の一夜」のために、シルクの寝具、アンティークのソファ、チェストなど、建設当時・第二帝政期の豪華内装を完全に再現したという。
なおオペラ座とAirbnbパリは、家具のすべてを「クリニャンクール蚤の市の協力の下で見つけた」と述べている。
また宿泊者には眠るだけでなく、オペラ座内でのアクティビティも提供される予定だ。
チェックインからチェックアウトまでの間、宿泊者にはガルニエ宮の中のダンススタジオの見学、プロダンサーによるバレエの手ほどき、シャンパンを飲みながらのプライベート・リサイタルなど、オペラ座の裏側を堪能できるようなプログラムが用意されている。
さらには地下10mにある人工湖の見学も予定されているというが、当日は、あの有名な『オペラ座の怪人』の作者ガストン・ルルーのひ孫にあたるヴェロニク・デュブリュル・ルルー氏が、宿泊者のために案内役を務めるそうだ。
※オペラ座地下の人工湖は、シャルル・ガルニエによって設計され、もともと湿地帯に建てられたオペラ座を洪水から守ることが目的だった。10,000m³のアーチ型水槽で、一般の人は立ち入ることができないため、『オペラ座の怪人』執筆の際のインスピレーションとなった。
なお予約開始はフランス時間の3月1日午後6時から、Airbnbサイトにて。
今回のスペシャルプログラムの予約は一組最大2名の18歳以上に限られ、Airbnbで本人認証済みのプロフィール、またネガティブコメントの履歴がないことが必須だという。(ドレスコード有り)
オペラ・ガルニエの総監督であるアレクサンダー・ネーフ氏は、Airbnbパリとの前例のないパートナーシップを歓迎しているとのことだ。
事実、文化遺産の支援を行なうAirbnbパリは、オペラ座劇場内のボックス席のリニューアルやデジタルプラットフォームの発展にも寄与している。
今後はフランス国内における約200の遺産改修プロジェクトを、向こう3年間にわたって支援する予定もあるというので、例えば「ヴェルサイユ宮殿の秘密の部屋」など、サプライズ的な宿泊場所が用意される日も近いのかもしれない。(せ)