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ロンドン最新情報「ついに!変異株ワクチン詐欺がロンドンに登場! 英国政府注意を呼びかけ」 Posted on 2021/01/10 Design Stories  

 イギリスでは9日、コロナウイルスによる死者(感染が確認されてから28日以内に死亡した人)の数が、累計で8万人を超えた。
イギリスで見つかった変異株は重症化しやすくはないが感染力が最大で7割高いとされている。またコロナウイルスの感染者の3人に1人は無症状とみられる。
政府は9日、「自分がウイルスに感染しているとの前提で行動すること」を呼びかける新たなキャンペーンを始めた。保健省はクリス・ウィッティ医務長官によるメッセージ動画をツイッターなどで発表。
変異株の出現と感染拡大の脅威を訴え、「ワクチンは確かな希望をもたらしているが、さしあたってはステイホームを順守し、NHS(国家保健制度)を守り、命を救おう」と呼びかけている。

 

ロンドン最新情報「ついに!変異株ワクチン詐欺がロンドンに登場! 英国政府注意を呼びかけ」



5日に始まったロックダウンは2020年春の最初のロックダウンよりも規制内容が緩く、まだ感染抑制の実効力は見えていない。
在宅勤務が不可能な場合の通勤、教会やモスクでの礼拝も許されているほか、小中学校や高校への登校が許される子どもの基準が拡大された。
さらには冬季で屋内で過ごす時間が長いことも、ウイルスが拡大しやすい条件だ。科学者の組織「インディペンデントS A G E」は政府に対し「現在のロックダウンは不十分」として規制強化を求めている。



 今日、マット・ハンコック保健大臣はBBCの報道番組に出演し、国内の成人全員が秋までにコロナウイルスのワクチン接種を受けられるようにすると述べた。
さしあたって状況の好転とロックダウンの出口は、感染を抑えながら、コロナウイルスに感染した場合に重篤化しやすい高齢者へのワクチン接種を進め、医療崩壊を食い止めることにかかっている。
イギリスは現在、米ファイザー社と英アストラゼネカ社の2種類のコロナウイルスワクチンの接種が行われていて、いずれのワクチンについても、変異株にも有効であることがメーカーによって確認されている。
イギリスでは8日、新たに米モデルナ社のワクチンも認可されたが、モデルナ社のワクチンのイギリス到着は春以降になるとされる。
早ければ2月半ばと予定されているロックダウンの緩和のためには、特に重篤化リスクの高い1300万人へのワクチン接種を行う必要がある。



ワクチンは製造ロットごとの安全検査に2週間を要することから、急速には進められない現状があるが、目標達成は不可能ではないと政府は説明している。これまでに150万人が、必要とされる2回の接種のうち少なくとも1回目の接種を受けた。当初は2〜3週間とされていた2回目の接種を12週間後まで遅らせることで、より多くの人に接種を進める方針に変更されている。
NHSによると、現在接種の対象となっているのは80歳以上の高齢者、老人ホームに勤務する人、医療福祉の従事者のうちリスクの高い人。対象者にはNHSから連絡があり、かかりつけ医(GP)や接種センターに予約を取るように指示が出される。



9日にはバッキンガム宮殿の情報として、エリザベス女王とフィリップ殿下夫妻がコロナウイルスのワクチン接種を受けたことが明らかにされた。
女王夫妻は年齢を根拠に接種対象となり、女王自身が情報を公開することを望んだという。この背景には、「ワクチン接種は危険」とするSNSが拡散されていることから、「王室御用達」とすることで、国民へのワクチン接種を順調に進めたいという政府の思惑がある。
WHOは、コロナウイルス関連の不確かなものも含む情報が氾濫する状況を昨春に「インフォデミック」と名づけて警告している。※、インフォデミックとは「英語のインフォメーション(情報)とパンデミック(感染症の世界的流行)を組み合わせてWHOが造った造語で、フェイクニュースの拡散により正しい情報が伝わりにくくなる状態」

メッセージアプリで広まっている動画の中には、アストラゼネカ社製のコロナウイルスワクチンの外箱と説明書らしきものが映し出され、女性の声が原料を「解説」するとともに、「世界を救うとされているこのワクチンには、恐ろしい原料がたくさん含まれている」と一方的にメッセージを伝えるものもある。そこには情報源も不明、エビデンスなどもない。
しかし、真意が分からない情報をうのみにし、信じてしまう人がおり、まさに、不安により、真実とインフォデミックの区別がつきづらい、難しい時代の到来が問題化されつつある。
また年末にはロンドン南西部で、マスクをした男がNHSをかたって92歳の女性の自宅を訪れ、コロナウイルスワクチンという名目の注射をして160ポンドを受け取るという犯罪が発生した。
女性は病院で検査を受け、異常がないことが確認された。
犯人は見つかっていない。政府は「接種はNHSが一括して管理し、料金を受け取ることはない」と発表して注意を呼びかけている。

ロンドン最新情報「ついに!変異株ワクチン詐欺がロンドンに登場! 英国政府注意を呼びかけ」



8日には、ロンドンのサディク・カーン市長が「ウイルスはコントロール不可能な状態にある」として重要事態宣言を出した。
これまで大規模なテロなどの際に出されてきた宣言で、病院や救急医療が通常のレベルのサービスを提供できない恐れがあることを示している。
11日には、中国の武漢でコロナウイルスによると確認されている最初の死者が発生してから1年になる。ワクチン摂取が進むまで、一人ひとりが最大限の感染対策に務めることが求められる。(清)

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