欧州最新情報
パリ最新情報「増え続ける新規コロナ感染者、感染しないためのおさらい」 Posted on 2020/10/10 Design Stories
昨日(10月9日)のフランスにおける1日あたりの新規コロナ感染者が20339人となり、大規模なPCR検査を始めて以来の新記録を更新。
他国より検査数が多いというのもあるが、欧州ではぶっちぎり(イタリア5372人、スペインは12788人、イギリスは13864人)、2万人のラインを超えた。
陽性率は10、4%まで上昇している。
科学者はテレビのインタビューで、「このウイルスはまだしばらく消えることはない、この冬、次の春、夏頃まで続くだろう。これから6ヶ月が踏ん張り時であるが、共存できると確信している、私はポジティブに捉えている」と発言していた。
フランスはいくつかの指針をもとに最大警戒地域(人口10万人に対して250人以上の感染者)、警戒強化地域(人口10万人に対して50人以上の感染者)など、感染状況によって区別し、それぞれの状況に応じた措置をとっている。
その措置が功を奏してボルドーやニースでは感染が少し収まる傾向にあり、マスク着用義務やソーシャルディスタンスの定着も手伝って、”第二波”は幸いにも3月や4月ほどの凶暴さを見せてはいない。
しかし、じわじわと病院にコロナ患者が増えているのは現実で、パリ近郊の集中治療室占有率が40%にまで上っており、それが来週には50%にまで上昇すると予想されている。
この数字が60%まで上がるとロックダウンをせざるを得ないという噂もあり、全く油断できない状況には違いない。
フランス高等保健機構(HAS)は、症状のある人に対し、現在、結果が出るまでに48時間かかるPCR検査ではなく、抗原検査(10分から30分で結果が出る)を推奨し始めている。
PCR検査と抗原検査の違いは、PCRはコロナウイルスの遺伝物質の有無を検出するのに対し、抗原検査はウイルスのタンパク質を検出する。単純な検査なので、わざわざラボラトリーで行う必要もない。
その理由は、主に長蛇の列ができているPCR検査場の負担軽減、クラスターが発生した場所など、一気に素早く感染者割り出しをしなければならない状況で効果を発揮する。
1日に2万人の感染者がいるという状況で、感染疑いのある人の状況により検査を分散化させ、よりスムーズに感染者割り出しを行う作戦なのだ。
寒くなってきて、鼻が詰まったり風邪をひく人も多い。では、コロナと見分けるにはどうしたらいいのか。
はっきりさせるためには検査をするしかないのだが、新型コロナに感染した人(軽症)の約70%が味覚、臭覚を失っており、この症状はまず新型コロナを代表する症状と言えるようだ。
治療薬もワクチンもまだまだ時間がかかりそうなので、感染しないためには、やはり、密を避け、手洗いを徹底させるしかない。
ちなみに、人の皮膚に付着したコロナウイルスは9時間残るという研究結果が出ており、その長さはインフルエンザの約4倍にあたる(インフルエンザは2時間)。
また、感染は主に「飛沫感染主と手から」というのに変わりはなく、手洗い、消毒の大切さを今一度認識したい。
皮膚についたコロナウイルスは、20秒から30秒間の石鹸(できればリキッドタイプ)での手洗い、アルコールジェル消毒では15秒でウイルスが死滅するらしい。
空気感染は確かではないが、締め切った室内では、コロナウイルスが12分間残るという研究結果もあるので用心したい。
忘れがちだが、コインを触った手の消毒、パソコンのキーボードやスマートフォンの消毒をこまめに行うことも大切である。
人間 vs コロナウイルスの戦争はまだまだ続く。