寿司、天ぷら、すき焼き…
実は、日本では高級料理として知られているこれらの料理だが、フランスでは大衆的なものとして広まっている。
フランスでは、10年以上前からじわじわと日本食の人気が高まり、今では安定して人気のある食のジャンルとなっている。
それも、寿司や天ぷらのような高価なものではなく、先日別の記事でも紹介されていた餃子や、ラーメン、鶏の照り焼きなど、我々にも親しみのある料理を食すフランス人が圧倒的に多くなった。
日本人のソウルフードの一つであるカレーも、フランスの日本食レストランで日常的に見かけるようになった。
そんな中、「カレースタンプラリー」なる面白そうなイベントがパリで開催中、と知った。
 

 
ルールは簡単、イベントに参加しているレストランへ行ってカレーを注文し、店内にあるQRコードを読み取るとスタンプがもらえる。
40店舗以上にのぼる参加店一覧に目をやった。
お、リストの中に気になる一店を見つけた。
「Café McQueen」。
カフェ？　
日本では喫茶店にカレーがあってもおかしくないが、フランスのカフェでカレーはあまり聞いたことがない。
直感を信じ、1店舗目はここにした。
お店はパリで一番日本料理店が多いオペラ地区の中にあるが、小さな通り沿いなので静かで良い。
知る人ぞ知る、というお忍び感もある。
 

 
店内はこじんまりとしており、なるほど、和食屋さんのようでもあり、カフェのようでもある。
経営者は日本人であった。
カレースタンプラリーの話をすると、「かしこまりました」とすぐに調理を始めてくれた。
どうやらこのイベントで出すカレーは決まっているようだ。
 

 
料理の待ち時間を使って、イベントに参加してみる。
テーブルにあるポップアップのQRコードを読み取ると、すぐにスタンプゲットでとってもお手軽。
 

 
スタンプを集めると、抽選会に応募できる。
2個集めて日本酒1合瓶（抽選120名）、4個集めて400ｇの和牛（抽選10名）。
期間内に4店舗回るのは難しそうだが、和牛には惹かれてしまう・・・。
高望みせずに確率の高い日本酒に応募するか迷うところだ。
そうこうしているうちにカレーができた。
しかし、おお、運ばれてきたのは、なんとカレーラーメン！
 

 
ライスを想像していたので面食らったが、実に美味しそうではないか・・・。
スパイスの香りが食欲を刺激する。
うどんでもなくカレーラーメンとは更に意外だったが、これが本当に美味かった。
麺によく絡むカレーのスープは辛さ抑えめで、味わうと鼻から出汁の香りが抜ける。
自家製チャーシューがまた絶品で、ラーメントッピングとしては珍しいブロッコリーもコリコリとした食感が嬉しく、スープとの相性も抜群だ。
半熟卵のトロトロ具合はご覧の通りで、飽きることなくあっという間に食べ終わってしまった。
店主の後藤さんに味の秘密を聞くと、業者から仕入れている無添加のカレーソースにオリーブやにんにく、トマトソースを調合し、仕上げに出汁を加えているのだとか・・・。
なるほど、和だしか！
 

※店主の後藤薫さん

 
夜のメニューにラーメンはあるが、このカレーラーメンはカレースタンプラリー開催中のみ食べられる期間限定メニューとのこと。
短期間のメニューでここまで味の追求をしているところを見ると、他のメニューにも期待が高まる。
基本的にはカフェバーなのだが、後藤さんの料理が気に入って、食事に来る人も多いのだそう。
後藤さんは「夜なんてラーメン屋と化していることもよくありますよ」と笑っていた。
 

 
大満足でレストランを後にしたが、集めたスタンプはまだ1つ。次はどこのカレーを食そうか。

本イベントは、3月17日までオペラ地区を中心としたパリ各所（一部郊外）のレストランで開催中。（山）
https://curry-japonais.fr/

Salon de café McQueen
16 Rue Molière, 75001 Paris