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パリ最新情報「ジェーン・バーキンさん逝去、フランス各界から追悼の声が続々と」 Posted on 2023/07/17 Design Stories  

 
歌手で俳優のジェーン・バーキンさんが7月16日、76歳で亡くなった。
フランスの報道によれば、バーキンさんは16日の午前11時頃、パリの自宅で亡くなっているのを医療関係者によって発見されたという。
バーキンさんは以前から健康上の問題を抱えており、5月にはパリで予定されていたコンサートを突如キャンセル、国内から心配の声が多数寄せられていた。
バーキンさんはキャンセル時、「再びステージ上で皆さんと一緒にパフォーマンスできるようになるには、まだもう少し時間が必要だと実感しています」と、仏メディアに向けて声明文を発表していた。
 

パリ最新情報「ジェーン・バーキンさん逝去、フランス各界から追悼の声が続々と」



 
1946年にイギリス・ロンドンで生まれたバーキンさんは、1960年代後半にフランスに移り住んだ。
その後フランスに帰化した彼女は、フランス映画『スローガン(Slogan)』に出演、主演のセルジュ・ゲンズブール氏とは1980年までパートナー関係が続いた。
ゲンズブール氏とのデュエット曲『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』は物議を醸したものの、バーキンさんのファッショナブルな雰囲気も相まって一気に世界的なスターに。エルメスのバッグ、バーキンの由来にもなった。
 

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俳優・歌手・映画監督・脚本家と、多才だったバーキンさん。
50年以上のキャリアを通じて、彼女は100本近くの映画に出演し、そのうちの2本は監督を兼ねていた。
最後の出演となったのは、自身の次女であり、ゲンズブール氏との間に生まれたシャルロット・ゲンズブールさんが監督を務めたドキュメンタリー映画『Jane par Charlotte』であった。

16日にはフランスのマクロン大統領も自身のツイッターで追悼している。
大統領は「完璧なアーティスト」「彼女が残した歌と映像の遺産は、決して私たちのもとを去ることはないだろう」などと文字を綴り、バーキンさんの死を悼んだ。
また仏文化省も「フランス語圏における不朽のアイコン」と追悼。元文化大臣のジャック・ラング氏においては、「ジェーン・バーキンは本物かつシンプルで、素晴らしい人間だった」と仏ラジオ番組franceinfoにて語っている。
 

※パリ市長、アンヌ・イダルゴ氏公式ツイッターより



 
こうして16日午後にはフランスの政界、芸能界、ファッション界から多数の追悼コメントが寄せられた。
中でもバーキンさんと同時代に活躍した仏女優のブリジット・バルドーさんは、「あれほど美しくて、あれほどみずみずしくて、あれほどのびやかで、あれほど子どものような声を持っていたら、死ぬ権利なんてない」と、AFP通信に寄せた声明の中で述べている。

またバーキンさんは大の親日家で、東日本大震災後には被災地への寄付を募ったほか、被災者支援のためのコンサートも行っていた。
このようにバーキンさんは、その美しい歌声でフレンチ・ポップスを世界に広めただけでなく、NGO団体に向けたチャリティーオークションを開催するなど、慈善活動にも尽力した人物だった。(大)
 

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