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パリ最新情報「世界猫の日、パリで最も有名な猫ちゃん『ソクラット』がクローズアップされる」 Posted on 2022/08/10
8月8日は、世界的に猫の日と定められている「International Cat Day」であった。
フランスでは多くの人が猫と共に暮らしている。
今では約1,500万匹の猫が飼われており、ヨーロッパの中でも人口あたりの猫数が最も多い国とされている。
世界猫の日に関する特別なイベントは実施されなかったのだが、その代わりメディアは「フランス猫情報」を発信し、フランス国内におけるさまざまな猫ちゃんの姿を映し出した。
仏紙Sud Ouestによれば、フランスで最も多く飼われているのは雑種で、全体の9割に上るそうだ。
また数は少ないものの、猫種としての人気ナンバーワンはメインクーンだという。
それに次ぐのはバーマンやペルシャで、長毛の猫ちゃんが愛されていることも分かった。
なおフランスで最も多い猫の名前は「シンバ」。
映画ライオンキングの影響が公開から28年経った今でも大変に強いとのことだ。
パリを中心としたイル・ド・フランス圏は、フランスでも一番多くの猫が暮らしている。
そんな首都パリで最も有名なスター・キャットといえば、ホテル「ル・ブリストル・パリ」の看板猫ソクラット君だ。
ル・ブリストル・パリは、五つ星を超える「パラス」の称号を持つ高級ホテルである。
エリゼ宮にほど近いパリ8区に位置し、美食ホテルとしてもよく知られている。
ここでは2010年より初代看板猫ファラオン君が活躍しており、これまでスタッフの一員として訪れる宿泊客を迎えてきた。
ところがホテルはコロナ禍で一時閉鎖、ファラオン君はフロントスタッフの自宅に引き取られていた。
再オープン後には再びホテルに戻る予定だったのだが、スタッフの家族は寂しさのあまり涙してしまったという。
そこでル・ブリストル・パリは急遽会議を開き、10歳になるファラオン君を引退させスタッフの自宅で引き取ることを決めた。
※バーマン種のソクラット君
https://www.instagram.com/p/CWbFZy1MsRk/
出典:ル・ブリストル・パリ公式インスタグラムより
2代目看板猫として迎えられたのは、ファラオン君の息子で2021年生まれのソクラット君である。
ル・ブリストル・パリは、「猫の存在は、家庭的な雰囲気を目指すブリストルの精神にぴったりです」とし、初代と同じようにホテルの内部を自由に動き回れるよう配慮した。
そんなソクラット君も就任してからもうすぐ一年。
ル・ブリストル・パリの永住権を持つ彼は、コンシェルジュデスクすぐ横にある専用の小部屋で食事やトイレを済ませ、専属の獣医さんもいるほか、ホテル内をいつでも好きなように歩き回ることができるという。
そのためロビーのソファで昼寝をしたり、敷地内の庭園で蝶々を追いかけたりと日々優雅な生活を送っているそうだ。
私が訪れた時は残念ながらソクラット君を見かけることができなかったのだが、何しろ広大なホテル内を自由に散歩しているので、スタッフの皆さんもどこにいるのか把握していないとのこと。
ただソクラット君は晴れた日に庭園にいる機会が多いため、運が良ければテラス席で一緒にアフタヌーンティーを楽しめることもあるのだとか。
このように猫ちゃんが暮らすル・ブリストル・パリは、ペット同伴の宿泊も可能ということだ。
ラグジュアリーホテルと言えど、ファラオン君の時代から猫ちゃん目当てに予約するお客様もいるというから驚きだ。
フランスでは猫の飼育数がどんどん増えており、2021年には登録件数が前年に比べ12%増となった。
パリで最も有名な猫ソクラット君は大変な強運の持ち主だが、他の猫ちゃんも幸せに暮らせるよう願いたい。(内)