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パリ最新情報「シャンゼリゼのイルミネーション点灯、今年は輝くシャンパン・ゴールドに」 Posted on 2022/11/26 Design Stories  

 
去る11月20日、パリのシャンゼリゼ大通りではクリスマス・イルミネーションの点灯式が行われた。
このイルミネーションは毎年恒例となっているが、今年は節電を大きく意識した内容で、約400本の街路樹におよそ100万個のLEDライトが点灯されている。
当日の式典にはパリ市長のアンヌ・イダルゴ氏のほか、病気の子どもたちを支援する「プチ・プリンセス」協会のメンバー、仏人気俳優のタハール・ラヒムさんらが登場。

「シャンゼリゼ大通りのイルミネーションは、あまりうまく行っていない世の中での祝福のひとときです」と市長が述べると、約5000人の見物客からは大きな歓声が上がった。
 

パリ最新情報「シャンゼリゼのイルミネーション点灯、今年は輝くシャンパン・ゴールドに」



 
2022年の特徴は、エッフェル塔を思わせる上品なシャンパン・ゴールドカラー。
今までのシャンゼリゼ大通りではイルミネーションといえば「赤」というのが常だった。
しかしながら今回は攻撃的でない色が採用され、エコでも華やかな印象が残るようにと、このゴールドが選ばれた。

訪れた人の評判はいずれも良いといい、「赤では遠目で目立たないが、ゴールドは品があって良い」「今年はいつもと比べて控えめだけど、こうした対策は必要だ」と、”攻めを抑えた光のショー”に一定の理解が集まっている。

ただ省エネモードはシャンゼリゼ大通りにも採用される。
例年では7週間続けられてきたイルミネーションを、今年は11月20日〜1月2日までの6週間に短縮。
また午前2時までだった点灯は2時間以上繰り上げられ、すべての灯りが23時45分に消されることになっている。(クリスマスイブと大晦日だけは除外)
 

パリ最新情報「シャンゼリゼのイルミネーション点灯、今年は輝くシャンパン・ゴールドに」

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今では世界でいちばん観光客が訪れる大通りとなったシャンゼリゼだが、エッフェル塔やルーブル美術館といった象徴的なモニュメントと同じように消灯時間を早めることで、「パリにおける節電の重要性を示したい」とイダルゴ市長は述べている。
またシャンゼリゼ大通り委員会によれば、イルミネーションの電力消費量は2021年比で45%も削減しているといい、「合理的で持続可能なイルミネーション」を目指しているとのことだ。

さらにシャンゼリゼ大通りでは、コロナ禍で2年間中止になっていた大晦日の年越しイベントも復活する。
パリ市は先日、凱旋門でのカウントダウンおよび花火イベントを2年ぶりに開催することを正式に表明し、その中にはフランスのアーティストたちによる特別プログラムも予定されていると発表した。
なお12月31日から1月1日にかけて見込まれる観客動員数は50万人。
久しく遠のいていた「オフラインでのイベント」が、こうして大々的にカムバックすることになっている。
 

パリ最新情報「シャンゼリゼのイルミネーション点灯、今年は輝くシャンパン・ゴールドに」



 
パリ市は現在、各ブティックの看板照明、ショーウィンドーや電光掲示板、またオフィスなどにも、22時から朝7時まで消灯して節電することを求めている。
ただエコの観点もあり、エネルギー危機が終わったとしても、節電の意識はフランスでこのまま定着していくように思う。(チ)
 

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