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パリ最新情報「イル・ド・フランスの汚染水調査では検出されるコロナウイルスの50%が英国変異株」 Posted on 2021/03/05 Design Stories
本日(3月4日)夕方、週に一度行われる首相会見が行われた。そこで、フランス北部、ル・パ・ド・カレ県が今週週末から週末ロックダウンに入る事、同地域では5000m2以上の商店の閉鎖などが発表された。パリ近郊、イル・ド・フランス県は週末ロックダウンを免れたが、パリ市内のセーヌ川やサンマルタン運河沿い、大きな公園など、人が集まる場所への侵入や集会が禁止されることが発表された。
ル・パ・ド・カレ県とイル・ド・フランス県の感染状況はほぼ同じなのだそうだが、政府としては経済の中心地をできるかけ動かし続けておきたいのだろう。医師たちはイル・ド・フランス県が週末ロックダウンを逃れたことに懸念を示していた。現在、緩やかであるもののパリ近郊の病院は満杯になりつつある。
先日、政府スポークスマンが、4月半ばには今の厳しい措置が一部解除され普段の生活に近づくことを示唆したが、裏を返すと、それまでは文化施設やカフェ・レストランの再開はないということになる。
夜間外出禁止令などの措置にもかかわらず、英国変異株の威力は未だ衰えず、ここ2週間でじわじわと感染が伸びているのが現状。現在、フランスの1日の感染者は毎日2万5000人ほど。イル・ド・フランスの汚染水調査では検出されるコロナウイルスの50%が英国変異株だと言われている。
今日の会見で、「今、一番の感染源はどこか?」という質問に、オリヴィエ・ヴェラン保健相は「テストをするまでの間」と答えた。それはどういうことかというと、体調の異変を感じ、明日良くならなかったら検査してみよう、というその24時間から48時間が感染拡大の因もなっているのだそうだ。陽性反応がでるまで隔離をしない人がほとんどで、その間に感染を広げているのだという。CNEWSに登壇したマルタン医師は、フランスがなぜ、自分でできる検査キットを使用しないのか、訴えていた。感染ストップには一斉に感染ルートを断つ必要があり、感染のひどい地域に検査キットを配り、陽性の人は1週間隔離する。それができればだらだらと部分的ロックダウンをするより効果的だと続けた。政府も自主検査キットの普及を考え始めてるとはいうが、スピードが必要な感染症に対し、措置が追いつかず苦戦しているのが現状のようだ。
フランスは、感染の酷い地域に対しワクチンの優先接種など、唯一の希望であるワクチン接種に重点を置き、9月までにはワクチンを希望する全ての国民、約3000万人に対しワクチンを摂取することを目標にしている。それまでできる限り経済を止めず、時間稼ぎをしたいのが政府の本音なのだろう。
措置を緩めていたイタリアでは再び感染が広がり、明日から学校が休校になることが決まった。引いては寄せるコロナの波が収まるのはいつになるのだろうか。