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パリ最新情報「ブラジルー日本変異ウイルスという呼び方が定着。しかし」 Posted on 2021/01/14 Design Stories
イギリスの24時間以内の死者が過去一番悲惨な1564人になった。
コメントを求められたイギリスの医師は「これまでで一番大変な日となった、若い人が多い」と語った。※若い人が多い、が気になる。
フランスの一日の死亡者は232人だが、パリ郊外に強める医療従事者は「パリ近郊病院のコロナ感染者病棟が再び満杯になった」と伝えた。
※この医師が胸に付けているのは「私はワクチン接種した」というPRバッジである。
現在フランスでは感染者の1%が英国変異型ウイルスによるものだが、6週間後には50%になると予測されている。
ジョン・カステックス首相が明日、会見を開くが、どうやら、夜間外出禁止開始時間が20時から18時に早まりそうだ。
昨年末の不吉な予測通りに世界で感染拡大が続いている。
※フランス人の47%がワクチンを受けるとうう新たなアンケート結果が出た。今日のワクチン接種者が約25万人ほどに増えていた。フランスでもようやくワクチン接種への動きが出てきたようだ。
今日、フランスのメディアを賑わせた言葉は「ブラジル―日本変異ウイルス」というワードであった。
どの局も、日本で見つかったブラジルの変異型ウイルスについての討論が目立った。
日本に戻ってきた家族(?)4人が、どこから来たのか、というのが報道のテーマだった。そこは、ブラジルのマナウスという街だと司会者が語った。
驚くべきことに、マナウスの住民の70%がコロナに感染している、というのだ。
これが事実ならば、集団免疫が出来ているはずだが、それどころではない超深刻な状態が続き、犠牲者がひっきりなしで、手の施しようがない状態なのであろう。
ブラジルから日本に戻ったのはこの家族だけではない。大勢の日本人がこの時期、日本に戻っている、と司会者が付け足した。
そこで、「ブラジル―日本変異ウイルス」という言葉を出演者らは使い続けた。
ブラジルのコロナ感染状況は世界で二番目の酷さだということだが、マナウスでは、富裕層や観光客の多い首都部から感染が始まり、その後、清潔な水さえ十分に手に入らない貧困地区に広まった。
貧困層でウイルスは猛威を振るい、最悪の感染状況となった。
プロテインスパイクを持つコロナウイルスはSARSの10倍から20倍の割合で細胞に付着しやすいと言われているが、英国の変異株はその従来のコロナウイルスよりも4倍細胞につきやすいのである。
しかし、フランスのウイルス専門医は「ブラジルー日本変異ウイルス」は英国種や、それよりさらに強い南ア種とも比較にならない強さで細胞に付着する、と警告した。
奇妙なことに「ブラジルー日本ウイルス」という言い方は定着しつつあるようだ。
これほど、どのメディアも「日本変異」と決めつける背景には、何か、この新しい変異ウイルスへの強い警戒が込められているように感じられなくもなかった。
南アの感染症の専門医の言葉が最後に耳に残った。
「ウイルスというのは変異していくのが普通なので、英国とか南アとか日本という呼び方は関係ないんだよ。そのうち世界中で変異することになるのだから」(中)