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パリ最新情報「ハッピーテラス! と交わし合うフランス、ハメを外す人々も」 Posted on 2021/05/20 Design Stories
フランス全国民が待ち望んでいた5月19日、文化施設、商店、レストラン・カフェのテラス席営業再開の日。
あいにくのお天気(例年にない悪天&寒さ)にも負けず、カフェやレストランのテラス席には人が戻り、半年ぶりの外食を楽しんだ。
フランス人の友人たちからは「Joyeuses Terrasses!(ハッピーテラス!)」というメッセージが次々と届き、まるでクリスマスのような雰囲気。
働く人もみなきびきびしている。
席につくと即座にメニューを持って来て、何か話したくてうずうずしているのが伝わってくるのだ。
商店はどの店を覗いても人が入っており、行列のできる店(店内は客1人につき8㎡を確保しなければならない)もあれば、街には商店名の入った紙袋をもって歩く人が溢れていた。
買い物をしている人を見ていると、もう、この日に買うものを決めていた人も多いようだった。
文化に飢えていた人たちは映画や美術館へ駆け込んだ。
カステックス首相とバシュロ文化相は映画の上映に立ち会い、文化活動の再開を祝った。
フランス映画協会によると昨日だけで20万人の入館があったという。
この数字は普段の水曜日(映画の公開日)の入館数の倍に当たるという。
フランスの感染者、重症者は減少を続け、ワクチン接種も順調。この再開を素直に喜べる状況のようだが、マクロン大統領はレストラン、カフェの再開を祝いつつ、「まだまだ気をつけなければいけない」と釘をさした。
オリヴィエ・ヴェラン保健相は、フランスはいつ本当にこのコロナ収束が見えるのかという質問に、「新しい変異株が出てこなければ、おそらく11月から12月にかけてではないか。なぜならその頃には国民のほとんどがワクチン接種を終えており、その時点で新しい波が視界に入って来なくなればこの感染症は過ぎ去ったと考えて良いだろう」と答えた。フランスは6月15日からワクチン接種の優先年齢がなくなる予定だったが、当初より2週間早まり5月31日より。全国民が年練制限などなく接種できるようになる。
さまざまな活動の再開とともに、19日から夜間禁止令の時間も21時に延びた。
この2時間はとても大きい。
しかもカフェが開いているとなれば、誘惑は多い。一部の人々は21時になってもテラス席からなかなか立ち上がらなかったようだ。
夕方から太陽が出ていたこともあり、街は音楽祭の雰囲気。
カフェやレストランの経営者も昨日は特別な日だったため、追い出すようなこともなかったようで、ボルドーやレンヌでは警察が出動する騒ぎにまでなったようだ。
23時になってやっと静けさが戻ったという。
あまりハメを外し過ぎてすぐに感染が増えるようなことにならないことを切に祈る。(み)