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パリ最新情報「ギャラリー・ラファイエットのドームが虹色に変化中。今なら裏側にも潜入できる!」 Posted on 2023/05/06 Design Stories  

 
ヨーロッパ最大級のデパート、ギャラリー・ラファイエットでは今、トレードマークの“ク―ポール”が虹色に変化中だ。
※ク―ポール…ドーム型天井。
 

パリ最新情報「ギャラリー・ラファイエットのドームが虹色に変化中。今なら裏側にも潜入できる!」



 
これは韓国の女性アーティスト、キム・ソジャ氏による作品で、ガラス部分に特殊なフィルムが手作業で貼り付けられている。
今年4月14日から期間限定でスタートした。
フィルムには「太陽光を虹色に回折させる」という特別な仕掛けが施されているそうだ。
なお虹の強弱は日の傾き加減、快晴かそうでないかによっても絶妙に変化する。

正確には、ク―ポールに直接フィルムが貼られた訳ではなかった。
ク―ポールの上部にはガラスの屋根がもう一つあって、今回はその外表面いっぱいに虹のフィルムが貼られた、ということになる。
 

パリ最新情報「ギャラリー・ラファイエットのドームが虹色に変化中。今なら裏側にも潜入できる!」

 
そのため期間中は、普段は入ることのできない内部空間が特別に解放されている。
入り口はギャラリー・ラファイエットの5階(フランス式)、フロアの中央付近。
無料な上に、スタッフが常駐していてク―ポールの歴史までじっくり説明してくれる。(英語・フランス語)
 

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いつもは上から見上げるしかないク―ポールだが、「見下ろす」というのは初めての経験だった。
中は円形の回廊になっており、ク―ポールの実態を間近に“虹を浴びながら”観察することができる。
 

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※ZEN(禅)を思わせるヒーリング・ミュージックも流れていた。

 
ところが太陽に雲がかかると虹は消失してしまい、ドームも普通のガラスに戻ってしまう。
これには「虹の儚さを感じながら、パリの中心で瞑想のひと時を」という作者の思いが込められているそうだ。
 

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※この日の天気は晴れ時々くもり。雲の流れも早かったためか、1〜2分単位で虹が現れたり消えたりしていた。



 
ガイドさんによれば、第二次大戦前のク―ポールはステンドグラスで出来ていたという。
戦争に突入すると、ステンドグラスは爆撃で割れてしまわないようすべて解体された。
しかし、それぞれに番号が振られていたにもかかわらず、ステンドグラスは戦時中の混乱で一部が行方不明になってしまったらしい。
ということで現在のク―ポールは発見されたステンドグラスと白ガラスの二つで構成されている。
 

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そんなク―ポールも今年10月で111歳の誕生日を迎える。
ギャラリー・ラファイエットによれば、「クーポールは革新・職人技・芸術のシンボルであり、パリを象徴する文化遺産の一つです」ということだ。
なお虹のインスタレーションは水曜〜金曜が14〜18時、土曜11〜14時、2023年6月30日までの開催となっている。
※無料、高所にあるため10歳未満のお子様は入場不可。
(コ)
 

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