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パリ最新情報「ギャラリーラファイエット、巨大スキンケア・フロアをオープン」 Posted on 2022/07/13 Design Stories
7月7日、パリのギャラリーラファイエット本店に巨大スキンケア・フロアが誕生した。
広さはなんと3000㎡で、地下一階のフロアを丸ごと使用した形になる。
オーガニックに特化したスキンケアを中心とし、知名度の高いブランドから新進気鋭のブランドまで合計170店が集結した。
特徴は、それがスキンケアだけに留まっていないところだ。
内容は多岐にわたり、フランスで古くから愛されるエルボリストリー(薬草店)、アロマオイル専門ショップ、サプリメント店などもある。
さらにはフロアの半分近くの面積を使用し、ハマムやサウナ、米国発のネイルサロン、ヨガスタジオ、エステなどの体験型エリアも設けた。
コンセプトは、「すべての人が自分自身をケアできますように」。
125年以上にわたってトレンドを発信してきたギャラリーラファイエット本店が、2022年の夏から「内面美容」を含むトータル・ビューティーを提案する。
こうしたウェルネス市場はフランスでも急成長を見せており、直近の4年間では約2倍の伸び率だという。
なお世界で見れば、その成長スピードは世界経済のほぼ2倍の速さに当たるとのことだ。
背景にはもちろんコロナ禍がある。
従来の「美容」という言葉には「美しくなければならない」との価値観が当たり前のように含まれていた。
しかし、ウェルネスの分野では「美容=健康」であり、「美しいままでいることは不可能、健康そのものが幸せにつながる」という新たなビジョンが加わっている。
この度オープンしたギャラリーラファイエットの地下フロアは、ヨーロッパでも最大の面積を誇るという。
同デパートのゼネラルマネージャー、アレクサンドル・リオット氏は、「私たちは非常に辛い2年間を乗り越えました。
今後は“実店舗”がこれまで以上にお客様のお役に立つと確信しています」と述べ、潜在能力を秘めたこの地下フロアに自信を見せた。
さてフロアで印象的なのは、1970年代風の温かい色調と、優しくて丸みのあるインテリア・デザインだ。
什器にも木製のものを多数使用しており、その有機質な空間には確かにリラックス感を覚える。
改修には12ヶ月を要したというが、工事が長引いたためか地元パリジェンヌにもまだ知られておらず、辺りはゆったりとした雰囲気に包まれている。
フロア中央にはオーガニックのカフェもある。
野菜を中心としたメニューにスムージー、グルテンフリーのスイーツなどが楽しめ、ショッピング後の休憩にはちょうど良い場所だ。
パリでは実店舗が大変厳しい状況にあるとしばしば報道されている。
しかしギャラリーラファイエット本店は、老舗の名を廃れさせまいと大胆な革新を続ける。
最近ではコロナ以前のような活気を取り戻しており、本店からオペラ座にかけては人であふれるようになった。
なお今回新しくできたスキンケア・フロアには男性用の製品もあり、ギャラリーラファイエットによれば「女性も男性も、フランス人も旅行者の方も大いにウェルカム!」とのことだ。
見るだけでも心地よいギャラリーラファイエットの地下空間。
この夏、パリのホットスポットがまた一つ増えることになった。(セ)