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パリ最新情報「フランス年金改革案、成立するも社会の混乱はさらに激化へ」 Posted on 2023/03/22 Design Stories  

 
仏国会は20日、提出されていた内閣不信任案を否決した。
これにより、受給開始年齢を62歳から64歳に引き上げることを柱にした新年金改革法案は事実上成立し、内閣の総辞職は避けられることになった。
この流れは、先週16日に仏政府が議会での投票を経ずに憲法49条第3項を発動し、年金改革法案を強行採択したことにより始まった。
これを受けた野党側は直ちに内閣不信任案を提出。
不信任案が可決されれば内閣は総辞職し、年金改革法案も廃案となるという仕組みだった。
 



 
結果、内閣不信任案は過半数までわずか9票と僅差で否決された。
しかしここまでの僅差は不信任案としては1992年以来だったといい、マクロン政権への不信感が国会内でも浮き彫りになった。
事実、16日の強制採択時には議員たちからも反対の声が大きく上がっていた。
左派連合「NUPES」らは同日、プラカードを振り回しながら仏国歌マルセイエーズを議会内で合唱し、ボルヌ首相の辞任を求めて抗議を繰り広げた。※通常、国会議事堂内でプラカードを掲げること、国歌を歌うことは禁止されている。また国歌や国旗を公に悪用・侮辱した事実が認められれば7500ユーロの罰金に処されるが、今回はそれも辞さないという構えだった。
 

パリ最新情報「フランス年金改革案、成立するも社会の混乱はさらに激化へ」

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パリ最新情報「フランス年金改革案、成立するも社会の混乱はさらに激化へ」

 
こうして嵐のように採択された新年金改革案だが、フランス各地では直後から暴動が起こり、21日正午までには全国で300人近くの逮捕者を出している。
首都パリではオペラ地区、サン・ラザール駅周辺でゲリラ的なデモが夜間に発生、溜まったゴミに放火する事件が相次ぐなど、大きな緊張が走った。
また21日午前には多くの地方都市で交通封鎖やデモが組織された。
参加者の年齢や職業も実にさまざまで、中には高校生・大学生といった若者も本気で声を上げているという。
 



パリ最新情報「フランス年金改革案、成立するも社会の混乱はさらに激化へ」

 
新年金改革法案が成立したことで、反対する国民の怒りはピークに達している。
一方でマクロン大統領は、明日22日の13時より中継でテレビ演説を行う予定だ。(今回はインタビュー形式。しかし大統領がテレビ演説をする際は重要事項が決まって伝えられる)
この度の演説は年金改革の国会審議が始まって以来初めてとのことだが、支持率が過去最低まで低下したマクロン大統領が何を語るのか。
国民および仏メディアも大きく注目している。
なお年金に関する新法は今後数カ月で施行される予定となっている。(内)
 

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