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パリ最新情報「フランス、コロナ禍、2回目の夏がはじまる!」 Posted on 2021/06/08 Design Stories  

フランスは、明日、6月9日(水)よりレストランの屋内営業が8ヶ月ぶりに再開される。同日から夜間禁止令が23時からとなり、欧州以外からの観光客(国によって色分けし、条件付き)の受け入れも再開されることになっている。6月9日は夏のバカンスに向けてフランスが本格的に動き出す記念すべき日といえるだろう。

レストランの営業に関しては厳しい予防対策も条件として付いてくる。大きなポイントは、レストラン屋内の許容人数は通常の50%(テラスは50%から100%になる)で、感染者が出た場合に追跡ができるよう、入り口でノートに氏名、連絡先を記入するか、もしくは、QRコードをスキャンし、自分がそのレストランにいたという情報を追跡アプリTous Anti Covidに残すというところ。春のロックダウン後から、すでに追跡ノートは存在していたが、QRコードの導入は今回はじめて。フレデリック・オーIT相によると、QRコードを使えば、情報を暗号化して残せるため、店側にも名前や連絡先を知られることがなく、個人情報を守ることができるとのことだった。レストランを出る時のチェックは行わないため、レストランに入ってから2時間の間に同じ空間にいた人に感染者が出た場合、保健所を通して連絡が来るようだ。これらの他、席の間は1mあけること、1テーブルにつき6人まで、店内移動時にはマスク着用など、いろいろ細かい条件がレストラン側に課されている。

パリ最新情報「フランス、コロナ禍、2回目の夏がはじまる!」



バカンス時の移動については、フランス国内の移動に健康パスポート(ワクチン2回接種証明かCovid陰性証明)の必要はない。海外への移動に関しては国によってグリーン、オレンジ、レッドに色分けされ、それぞれの条件が発表された。

グリーン・・・ウイルスが活発に流行しておらず、懸念される変異株の存在も確認されていない国。
ワクチンを済ませていなくても、PCRテストなどせずフランスに入国できる。隔離もなし。

欧州全域、オーストラリア、イスラエル、日本、レバノン、ニュージーランド、シンガポール、韓国

オレンジ・・・ウイルスは流行しているがコントロールされており、懸念される変異株が拡散されすぎていない国。
フランス入国の際、72時間以内のPCR検査陰性結果が必要。

緑と赤に属さない国全て。アメリカとイギリスはオレンジに設定されている。欧州はアメリカに対し、ワクチン2回接種し、なおかつ抗体ができる期間(15日間)が過ぎたアメリカ人観光客の入国を歓迎している。しかし、アメリカは欧州からの観光客に対し未だ検疫が行われているため、欧州委員会はアメリカの欧州人観光客の受け入れに「互恵主義」を求めているのだとか。

レッド・・・ウイルスが活発に流行しており、懸念される変異株が拡散されている国。
やむを得ない理由がない限りフランスに入国できない。入国の際はPCRテストと厳しい隔離措置が課される。レッドゾーンの国への渡航はできる限り控える。

アルゼンチン、バーレーン、バングラデシュ、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、コスタリカ、インド、ネパール、パキスタン、南アフリカ、スリランカ、スリナム、トルコ、ウルグアイ

※このリストは2週間おきに更新される。

パリ最新情報「フランス、コロナ禍、2回目の夏がはじまる!」



現在、欧州内の旅行にはPCR検査の陰性証明掲示が義務だが、7月1日からは健康パスポート制度が導入されるため、欧州内の旅行は、ワクチン2回接種証明(QRコードが記載された紙かアプリ)か、PCR検査陰性証明か、6ヶ月以内にCovid陽性になり回復したという証明の掲示で移動が可能になる。健康パスポートと言っても、「パスポート」を特別に作るのではなくこれらの書類がパスポートとなる、という認識だ。

去年はコロナ禍の夏休みに気を緩めすぎたため、10月にはロックダウンをせざるを得ない状況になっていた。今年はその間違いを繰り返さないよう、政府もかなり慎重になっている。そして、何より去年との大きな違いはワクチンの接種が進んでいること。現在フランスでは約2800万人が1回接種を、1400万人が2回接種を終えている。賛否両論あるものの、6月15日からは12歳から18歳までのワクチン接種も始まる。
新規感染者の数も順調に下がってきており、6月8日前後の1日の新規感染者は1万人以下まで下がっている。ロックダウンが解除されても順調に感染者が減っているということは、ワクチン接種の効果が如実に現れている、と断言できるだろう。

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地球カレッジ

しかしながら、イギリスでインド株が拡大しているのと同じく、フランスでもインド株クラスターが起きている地域が出てきた。現在接種が進んでいるワクチンはインド株への有効性も確認されているが、まだ国民の半分以上がワクチン接種をしていないという状況と、インド株は英国株より感染力が40%も強いということから、油断はできない。気を緩めず、予防措置を忘れず、楽しい夏を過ごしたいものだ。

最後に、先日、WHOが変異株にギリシャ文字を使って新しい名前をつけた。
英国株は「Alpha アルファ」。南アフリカ株は「Beta ベータ」。ブラジル株は「Gamma ガンマ」。インド株(B.1.617.2) は「Delta デルタ」、インド株(B.1.617.1)は「Kappa カッパ」 だそう。

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