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パリ最新情報「物価高で新しい意味を持つフランスのフリーマーケット。蚤の市にも負けない熱気!」 Posted on 2023/07/10 Design Stories  

 
フランスでは物価高により、フリーマーケットの需要がどんどん高まっているという。
仏語ではフリーマーケットのことを「ヴィッド・グルニエ(vide-grenier)」と呼ぶ。
これは「屋根裏を空にする」という意味なのだが、インフレ下では買う方も売る方にもメリットがあるといい、パリ市内では春先から毎週のようにあちこちで開催されている。
 

パリ最新情報「物価高で新しい意味を持つフランスのフリーマーケット。蚤の市にも負けない熱気!」

※7月8日、パリ9区、PLACE DE BUDAPESTで行われたフリーマーケット。



 
蚤の市(専門家が行う)とフリーマーケットは混在することもある。
その多くは骨董品が並んでいたり、ユーズドの洋服・家具・キッチン雑貨が並んでいたりする。
しかし一般の人が参加するフリーマーケットでは、値段の交渉が蚤の市よりもやや活発、という印象を受けた。
最近では各大都市、地方都市、小さな村でもフリーマーケットの参加者が増えていて、その目的はもはや単に屋根裏を空にするだけではなく、大切な副業の一つになっているということだ。
 

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例えば7月8日に行われたパリ9区のフリーマーケットでは、蚤の市にも負けない熱気が見られた。
開催時間は朝の6時から18時までで、参加費は1メートルあたり20ユーロ(約3140円、最低2メートルで出店)。
 

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商品も蚤の市に負けないほどの内容で、ヴィンテージの食器、ワイングラス、レコード、服飾雑貨が所狭しと並んでいた。
こうしたフリーマーケットは今、「買うにしても売るにしても本当に面白い」と言われている。
参加者は学生さんや退職者が特に増えているといい、購入者側のニーズも非常に高いそうだ。
 

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フランスでフリーマーケットが広がりを見せたのは、1990年代以降のことだった。
以前はその名の通り屋根裏を空にする、という目的だったのだが、今ではインフレに伴い、皆が生活費をやりくりして安く買う手段になっている。
フランス国内で開催されるフリーマーケットは現在、1シーズンで約7万件にもなる。
場所は広場や大通りなど多岐にわたり、自治体のHPにて案内がある。
※パリ市の公式HPにもある。
 

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毎年3月から7月初旬ごろまで開催されるフリーマーケットは、バカンス中の8月に少し落ち着く。
9月から11月にかけて再開されるが、中には一年中開催するという場所もある。
 

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ということでフランスでは、物価高によりフリーマーケットが新しい意味を持つようになった。
また人気が高まっている商品としては、子供のゲーム、服、本などがあるそうだ。
ふらっと購入するだけでなく、具体的な商品のニーズも高まっているとのこと。
 

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蚤の市と同様、もしくはそれ以上に活気を見せているフランスのフリーマーケットは総じてレベルが高く、掘り出し物が見つかることも多い。
足を運ぶ時間はやはり朝がおすすめだが、午後以降もまだまだ元気に開催されているので、将来フランスに渡航される際はぜひ立ち寄ってみてほしい。(内)
 

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