9月に入ったというのに夏のような暑い気候が続いているドイツだが、秋を感じさせる飲み物、フェーダーヴァイザーのスタンドがあちらこちらで見られるようになってきた。

Federweißer と綴るフェーダーヴァイザーはFeder:羽、weißer:白、すなわち白い羽という意味のドイツ語。ワインになる前の発酵を始めたばかりのぶどう果汁には酵母がたくさん含まれており、それが白い羽のように見えることから名付けられたそう。ぶどうを絞りワインにするために発酵させている途中、ワインになる前のアルコール飲料で、時期的にぶどうを収穫しワインの醸造が始まる10月頃までという短期間限定でしか楽しむことができない。その年にもよるが、9月に入るとあちこちで売られ始める。最近は温暖化の影響か、8月下旬にもう見かけるようになってきた。

発酵が始まった時点ではアルコール度数が低く、4%に達した時点でフェーダーヴァイザーとして売られるようになる。味はワインよりも甘くてジュースのよう。お酒に強くない人でもどんどん飲めてしまう危険な飲み物でもある。

発酵中で二酸化炭素が出続けている状態のため、きっちり蓋をすると瓶が爆発する恐れがある。そのため、瓶をきっちり閉めることはできず、写真のようにアルミホイルで蓋がしてある。この状態で持ち運びできる距離は限られているので、時期も飲める場所も限られたお楽しみ、というもの。

このフェーダーヴァイザーと一緒によく食べられるものがツヴィーヴェルクーヘン Zwiebelkuchenと呼ばれる玉ねぎのケーキ。色々なレシピがあるが、我が家にある古いレシピ本からのレシピをご紹介。

＜材料（天板1枚分）＞
・生地
小麦粉 500g
牛乳1/4L
生イースト 40g
砂糖、塩 少々
卵2個
オイル 大さじ5

・トッピング
玉ねぎ1kg
オイル 大さじ4
サワークリーム 1/2L
牛乳 1/4L
卵4個
クミンシード 大さじ1

＜作り方＞
生地を作る−生地の材料をまとめてホームベーカリーに入れ、出来上がったら天板の大きさに均一に伸ばす
薄切りにした玉ねぎをオイルで茶色にならない程度まで炒める。冷えたら生地の上に均等にのせる
残りのトッピングの材料をよく混ぜ、生地の上に均等にのせる
190℃に予熱したオーブンで45分程度焼く

このレシピには入っていないが、炒めたベーコンをのせても美味しい。フェーダーヴァイザーとの組み合わせが最高である。

この時期ドイツに来る機会のある方にはぜひフェーダーヴァイザー＆ツヴィーヴェルクーヘンを試してみてほしい。（マ）